税金・国保料の未納が在留期間更新でチェックされる時代へ:2026年6月の入管ガイドライン改正と2027年6月の情報連携
2026年6月の入管ガイドライン改正で、関係機関から提供された税・国保料の納付状況が在留期間更新の判断に使われ得ることが明記されました。新宿区ではすでに実施、全国では2027年6月の連携が検討中です。今やるべき確認をまとめます。

目次
税金・国民健康保険料の未納が、在留期間の更新でチェックされるようになりました
2026年10月26日時点で、出入国在留管理庁・厚生労働省・新宿区の公式資料を確認して作成しています。
「国民健康保険料を何か月か払っていなくても、ビザの更新はできる」と考えている人は少なくありません。しかし、その考えはますます危険になっています。出入国在留管理庁は 2026年6月、在留資格の変更・在留期間の更新に関するガイドラインを改正しました。入管が 関係機関から税や保険料の納付状況の情報を受け取り、許否の判断に使う場合がある ことが明記されました。
この記事では、すでに変わったこと、これから予定されていること、次の更新申請までにやっておくべきことを整理します。
まとめ
- すでに適用(2026年6月): ガイドラインに注書きが追加され、関係機関から提供された納税義務等の履行状況の情報を踏まえて許否判断を行う場合があると明記されました。
- 新宿区ではすでに実施(2026年6月1日〜2027年3月31日): 国民健康保険料の滞納者の情報を東京出入国在留管理局へ提供し、更新・変更の申請時に納付証明の提出が求められます。
- 全国で予定(2027年6月): 市区町村が外国人被保険者の国保料の収納状況を入管へ連携する仕組みが検討されています。
- 2026年度保険料から導入可能: 入国初年度の国保料の 前納 を、市区町村が条例で導入できるようになりました。新宿区はすでに導入しています。
1. 入管のガイドラインで何が変わったか(2026年6月)
対象は 「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」 です。最終改正は 令和8年(2026年)6月 です。
ガイドラインには、入管が考慮する8つの事項があります。その7番目が 「納税義務等を履行していること」 です。内容は次のとおりです。
- 納税義務がある場合は履行していることが求められ、履行していない場合は 消極的な要素 として評価されます。
- 国民健康保険料など、法令で納付することとされているものについても、高額の未納や長期間の未納などのうち 悪質なもの は同様に扱われます。
- 2026年6月の追加: 入管からの求めに応じて 関係機関から提供を受けた 納税義務等の履行状況に関する情報を踏まえ、許否判断を行う場合があります。
つまり、本人が持参する書類だけでなく、役所などからの情報も判断材料になり得るということです。
なお、ガイドラインには 窓口で保険証等を提示できないことのみをもって不許可にすることはない という記載も残っています。問題になるのは悪質な未納であり、保険証を忘れたことではありません。
2. 実例:新宿区は2026年6月1日から実施
新宿区は、国民健康保険料の滞納者情報を 東京出入国在留管理局 へ外部提供する資料を公表しています。
- 期間: 2026年6月1日〜2027年3月31日。以後も継続予定。
- 対象: 国民健康保険料を滞納し、区の徴収対策を行っても 滞納が続いている 外国人。
- 影響: その人が在留資格の変更・在留期間の更新を申請するとき、国民健康保険料の納付証明の提出 が求められます。
- 想定人数: 約500人。
新宿区に住む人にとって、これは予定ではなく、すでに始まっている制度です。
3. 全国の予定:2027年6月から入管へ情報連携
厚生労働省は、2025年11月26日の国保システム標準仕様書の検討会資料で、次のように示しています。
- 2027年(令和9年)6月 から、市区町村が外国人被保険者の 収納状況 を、公共サービスメッシュを使って出入国在留管理庁へ連携する方針で検討中です。
- 管理する項目の例は、未納フラグ、調定額、収納額、納期限などです。
- 対象は、世帯主の国籍にかかわらず すべての外国人被保険者 とする方向です。
- 資料上の位置づけは 「検討中」、適合基準日は 「調整中」 です。
また、NHK(2025年11月3日)などは、国民年金や国民健康保険の保険料を滞納し、納付を求めても応じない外国人について、政府が 原則として在留資格の変更や更新を認めない 仕組みを導入する方針だと報じています。これは 方針についての報道 であり、条文や運用の詳細(例外など)はまだ公式に示されていません。
4. 入国初年度の保険料の前納
2026年度保険料以降、市区町村は条例を改正することで、入国初年度の国保料の前納を 任意で 導入できるようになりました。
- 対象: その年の 1月1日時点で国内に住民登録がない人 が世帯主の世帯。多くは来日したばかりの人です。
- 新宿区の例(2026年度から導入): その年度の保険料のうち、まだ納期が来ていない分の全額を、原則として 6月の納期 にまとめて賦課します。
導入は任意のため、自治体によって違います。来日したばかりの人は、最初の納付書の金額をよく確認してください。月割りの想定より大きな額になることがあります。
5. 国民年金はどうなるか
ガイドラインは「国民健康保険料 など、法令によって納付することとされているもの」と書いています。国民年金保険料も法律で納付が義務づけられています。厚生労働省年金局の説明資料(2026年1月)によると、日本年金機構は 2025年5月 から、未納の外国人に 英語・やさしい日本語 での文書勧奨を行っており、出入国在留管理庁等と連携した未納対策を実施するとしています。
払えない場合は、放置せず 免除・納付猶予を申請してください。手続きは 国民年金の免除・納付猶予の申請方法 で説明しています。「正式に免除されている」ことと「滞納している」ことは別です。
6. 特に注意が必要な人
会社の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している人は、給与天引きなので未納のリスクは小さめです。注意が必要なのは次の人です。
- 国民健康保険に加入している 留学生 や パート・アルバイト の人。
- 退職してから次の仕事までの間 の人。14日以内の入管への届出 もあわせて確認してください。
- 退職後に 住民税の納付書が自宅に届いた 人。住民税が2年目に来る理由 を参照してください。
- 労働時間が変わり、保険の加入先が変わる人。2026年10月の社会保険の適用拡大 を参照してください。
- 永住許可 を目指す人。公的義務の履行はより厳しく見られます。2026年10月の永住許可ガイドライン を参照してください。
7. 今やっておくこと(チェックリスト)
- 未納がないか確認する。 市区町村役所の国民健康保険・税の窓口で確認します。在留カードを持参します。
- 未納があれば、すぐに相談する。 次の督促を待たずに、分割納付や減免ができるか相談します。判断は自治体が行います。
- 納付の記録を保管する。 コンビニの領収書、振込記録、口座振替の記録など。
- 更新申請の前に証明書を取る。 国保料の納付証明書、納税証明書・課税証明書など。発行に時間がかかることがあるので早めに。
- 引っ越した場合は、前の自治体の分も精算する。 住所を変えても滞納は消えません。
- 来日したばかりの人 は、自治体が初年度の前納を導入しているか確認します。
8. まだ決まっていないこと
- 入管がどの程度(金額・期間)を「悪質な未納」と判断するかは、数字では公表されていません。
- 2027年6月の全国的な連携は 検討段階 で、正式な施行日は調整中です。
- 新宿区以外の自治体でも、同様の連携がすでに始まっている、または始まる可能性があります。お住まいの自治体の情報を確認してください。
新しい公式発表があれば、この記事を更新します。
公式情報
- 出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」(最終改正 令和8年6月)
- 厚生労働省「国民健康保険システム標準化 令和7年度標準仕様書改訂 第3回検討会 資料」(令和7年11月26日)
- 新宿区「国民健康保険料に係る東京出入国在留管理局への滞納者情報の外部提供について」
- 新宿区「令和8年度 国民健康保険事業概要」
- 厚生労働省 年金局 説明資料(2026年1月)
免責事項:この記事は2026年10月26日時点の一般的な情報であり、法的助言ではありません。在留の許否は出入国在留管理庁が個別に判断します。ご自身のケースについては、入管、市区町村役所、または行政書士にご相談ください。
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