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日本の住民税:なぜ2年目に請求が来るのか、退職・帰国のときに何が起きるのか(2026年版)

約8分で読めます

住民税は前年の所得をもとに計算され、1月1日時点で住民登録があった市区町村が6月から翌年5月まで課税します。公式の税率と金額、特別徴収と普通徴収の違い、退職時の一括徴収、帰国前に納税管理人が必要になる場面を整理します。

Ilustrasi seorang pekerja Indonesia di Jepang memegang surat pemberitahuan pajak juuminzei dari balai kota, di sampingnya slip gaji dengan baris potongan pajak dan kalender yang menandai bulan Juni.

日本の住民税:なぜ2年目に請求が来るのか、退職・帰国のときに何が起きるのか

日本で働くインドネシア人の多くが2年目に驚きます。手取りが減った、あるいは市役所から突然、税金の納付書が届いた——原因はほとんどの場合ひとつです。住民税、つまり前年の所得をもとに計算される地方税です。

この記事では、住民税の仕組み、公式の金額、そしてトラブルになりやすい3つの場面(退職・引っ越し・帰国)を整理します。

この記事の制度情報は、総務省・東京都主税局・大阪市・東京都江戸川区の公式ページで2026年9月3日に確認したものです。

要点

  • 住民税は前年1月1日から12月31日までの所得をもとに計算され、その年の6月から翌年5月までをかけて納めます。
  • 課税するのは、1月1日時点で住民登録があった市区町村です。いま住んでいる市区町村ではありません。
  • そのため、来日1年目は通常かかりません。請求が現れるのは2年目です。
  • 1月1日から4月30日のあいだに退職した場合、その年度の残額は最後の給与や退職手当から一括で徴収されます
  • 完納しないままインドネシアへ帰国する場合は、日本国内の納税管理人を定める必要があります。

1. 住民税とは

住民税は、住んでいる都道府県と市区町村に納める地方税です。毎月の給与から差し引かれている国税の所得税とは別のものです。

住民税は2つの部分からできています。

  • 均等割 — 課税される人が一律に負担する定額部分。所得の大きさに関係しません。
  • 所得割 — 前年の所得の大きさに応じて計算される部分。

2. 公式の金額

均等割(年額・国が定める標準税率)

  • 市町村民税:3,000円
  • 道府県民税:1,000円
  • これに森林環境税1,000円が加わります。森林環境税は国税ですが、令和6年度(2024年度)から住民税の均等割とあわせて徴収されています。
  • 合計:年5,000円

所得割(国が定める標準税率):10%

  • 市町村民税:6%
  • 道府県民税:4%

指定都市(大阪市・横浜市・名古屋市・福岡市など)に住んでいる場合は内訳が変わり、市民税8%・道府県民税2%となります。合計はやはり10%です。

都道府県によっては独自の環境税を上乗せしているため、実際の納税通知書の金額は多少異なることがあります。上記は国が定める標準税率です。

所得が低い方には非課税限度額の制度もありますが、金額は市区町村ごとに異なり、扶養している人数によっても変わります。所得が少ない場合は推測せず、お住まいの市区町村の市民税課・課税課に直接確認してください。

3. なぜ2年目に現れるのか

ここが最も誤解されやすい点です。

  • 今年の住民税は、**前年の暦年(1月1日から12月31日)**の所得から計算されます。
  • 基準となる日(賦課期日)は1月1日です。その日に住民登録があった市区町村が、その年度1年分を課税します。
  • 徴収が始まるのは6月です。

例:2025年4月に来日した場合。

  • 2025年1月1日には日本に住んでいなかった → 2025年中は住民税がかかりません。
  • 2026年1月1日には市区町村に登録されている → 2026年6月から、2025年4月〜12月の所得に対する住民税が徴収され始めます。

給与が下がったのではなく、新しい控除が始まったということです。

4. 2つの納め方

特別徴収 — 給与からの天引き

  • 勤務先が毎月の給与から差し引きます。
  • 期間は6月から翌年5月までの12回に分けられます。
  • 正社員の標準的な方法で、本人の手続きは不要です。

普通徴収 — 自分で納付

  • 市区町村が納税通知書と納付書を自宅へ送ります。
  • 4回に分けて納めます(納期は市区町村が定めますが、おおむね6月・8月・10月・翌年1月です。実際の期限はご自身の納付書で確認してください)。
  • コンビニ・銀行・決済アプリなど、納付書に記載された方法で支払えます。

普通徴収になりやすいのは、退職した直後の人、勤務先が給与天引きの手続きをしていないパート・アルバイトの人、給与以外の収入がある人です。

引っ越したのに住所変更の届出をしていないと、この納税通知書が届きません。それでも納税義務はなくなりません。転出届・転入届の順番の記事もあわせてご覧ください。

5. 退職するとき

差し引かれる額がふだんよりずっと大きくなることがあり、驚きやすい場面です。

1月1日から4月30日のあいだに退職した場合

5月分までの住民税の残額は、最後の給与または退職手当から一括で徴収されます。これは会社の裁量ではなく、大阪市の案内では地方税法第321条の5第2項に基づく義務と説明されています。

5月31日までに支払われる給与と退職手当の合計額よりも残税額が多い場合は、超える分が普通徴収に切り替わり、納税通知書が自宅に届きます。

6月1日から12月31日のあいだに退職した場合

一括徴収は本人の申し出があれば行われます。申し出をしなければ、残額は普通徴収に切り替わり、納付書で自分で納めることになります。

そのまま次の会社へ移る場合

新しい勤務先で給与天引きを継続することもできますが、前の会社と新しい会社のあいだで引き継ぎの書類が必要です。納付書が自宅に届いてから慌てるのではなく、両社の人事担当者に早めに伝えてください。

なお、退職・転職には税金とは別に入管への届出義務があります。14日以内の届出の記事をご確認ください。

6. 帰国するとき・日本を離れるとき

日本を離れても、すでに課税された住民税が消えることはありません。1月1日時点で市区町村に住民登録があれば、その年度分は年の途中で出国しても、その市区町村に納める必要があります。

東京都江戸川区の説明によると、次の場合には納税管理人(日本国内で納税通知書を受け取り、本人に代わって納付を行う人または法人)を定める必要があります。

  • 納税通知書が送付されるに出国し、書類を受け取る人がいない場合
  • 納税通知書が送付されたに出国するが、未納分が残っている場合
  • これまで給与天引きだったが、退職により自分で納付する形に変わる場合

一方、次の場合は納税管理人を定める必要はありません

  • 出国前に全額を納付済みの場合
  • 給与天引きが続く場合、または退職時に全額を一括で徴収済みの場合

誰も定めず、納付もしないままにすると、市区町村は公示送達(公の掲示による通知)を行います。納期限までに納付されなければ督促状が送られ、延滞金が加算されることがあります。

将来ふたたび日本に住む場合は、同じ様式の申告書で納税管理人の解任手続きが必要です。

この税金の手続きは、年金の脱退一時金とは別のものです。帰国を予定している方は脱退一時金の質問集もご覧ください。

7. よくある質問

3月に愛知県から東京都へ引っ越しました。どちらに納めますか。 1月1日時点で登録があった市区町村(この例では愛知県側)へ、その年度1年分を納めます。新しい市区町村が課税を始めるのは翌年度からです。

収入が少なくてもかかりますか。 お住まいの市区町村の非課税限度額と、扶養している人数によります。金額は市区町村ごとに異なるため、市民税課・課税課に確認してください。収入が少なければ自動的に非課税になると考えないでください。

インドネシアの家族へ定期的に送金しています。影響しますか。 認められた扶養は住民税を含む課税の計算基礎を下げることがありますが、書類の要件が厳しく、正しく申告する必要があります。これは別の論点なので、あてにする前に市民税課または税務署へ確認してください。

毎月引かれていたものと同じですか。 同じとは限りません。働き始めた月から引かれているのは国税の所得税です。住民税は後から現れる別の控除です。給与明細を見ると、それぞれ別の行に記載されています。

8. チェックリスト

  • 毎年6月に届く納税通知書を保管してください。金額と納期が書かれています。
  • 給与明細の「住民税」の行を確認し、特に6月分は前月と比べてみてください。
  • 退職を申し出る前に、最後の給与からいくら住民税が引かれるのかを人事担当者に確認してください。
  • 市区町村をまたいで引っ越す場合は、転出届・転入届を必ず出し、税の通知が届くようにしてください。
  • インドネシアへの帰国を予定している場合は、出発に市区町村の税務担当窓口へ行き、納税管理人が必要かどうかを確認してください。
  • 書類の内容がわからないときは、通訳サービスを用意している市区町村も多くあります。窓口で相談してください。

給与そのものが基準を満たしているかを確認したい方は、2026年の最低賃金の確認方法もご覧ください。

参照した公的情報

  • 総務省「個人住民税」——均等割・所得割の標準税率、賦課期日1月1日
  • 東京都主税局「個人住民税」——均等割1,000円/3,000円、森林環境税1,000円、所得割4%/6%、特別徴収は6月から翌年5月
  • 大阪市「退職・転勤などがあった場合(給与所得者異動届出書の提出)」——一括徴収の取扱い、地方税法第321条の5第2項
  • 東京都江戸川区「出国するときの住民税の手続きについて(納税管理人の選任)」

注記: この記事は2026年9月3日時点で確認した公的情報にもとづく一般的な案内です。税額・非課税限度額・納期は市区町村や個々の状況によって異なります。お金にかかわる判断をされる際は、お住まいの市区町村の市民税課・課税課、税務署、または資格のある専門家へご確認ください。

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