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日本の年次有給休暇:付与日数の数え方、年5日の取得義務、退職時の残日数

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年次有給休暇は国籍や在留資格を問わず適用されます。6か月・出勤率8割の要件、フルタイムとパートタイムの付与日数、会社に課された年5日の取得義務、2年の時効、退職前に残日数を使い切る進め方を、厚生労働省の資料にもとづいて整理しました。

Ilustrasi seorang pekerja Indonesia memegang formulir pengajuan cuti berbayar (yuukyuu) di depan kalender kerja di Jepang.

日本の年次有給休暇:付与日数の数え方、年5日の取得義務、退職時の残日数

日本で働くインドネシア人の中には、何年も勤めながら一度も年次有給休暇(有給)を使ったことがない人が少なくありません。「有給は日本人の正社員だけのもの」と思っている人もいれば、権利があることは知っていても、自分に何日あるのか分からないまま時効で消えてしまう人もいます。

年次有給休暇は労働基準法で定められた制度で、日本で働く人には国籍を問わず適用されます。技能実習生、特定技能、有期契約、派遣、パートタイムのいずれであっても、要件を満たせば対象です。

この記事は、厚生労働省が公表している解説にもとづいて整理したものです。以下の数字はすべて 2026年9月9日 時点で確認しました。

要点

  • 権利が発生するのは、雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤したとき。
  • フルタイムの人は最初の6か月で 10日、勤続年数に応じて増え、上限は 20日
  • パートタイムの人は所定労働日数に応じた 比例付与
  • 年に 10日以上 付与される人については、会社が 1年以内に5日 取得させる義務を負う。
  • 使わなかった有給の時効は 2年
  • 取得の理由を会社に説明する義務はない。
  • 退職する場合、会社は退職日より後へ時季を変更することができない。

1. 有給が発生する条件

厚生労働省の説明によると、年次有給休暇は次の2つを満たした労働者に付与されます。

  • 雇入れの日から起算して 6か月間継続して勤務 していること
  • その期間の 全労働日の8割以上に出勤 していること

条件はこの2つだけです。国籍、在留資格の種類、正社員かどうかは条件に含まれません。最初の付与のあとは、同じ出勤率の条件で1年ごとに新しい有給が付与されます。

なお、計算の対象になるのは所定労働日であり、暦日ではありません。会社の休日は出勤率の分母に入りません。

2. フルタイムの付与日数

フルタイムで働く人の付与日数は、勤続年数に応じて次のように増えます。

  • 勤続 6か月:10日
  • 1年6か月:11日
  • 2年6か月:12日
  • 3年6か月:14日
  • 4年6か月:16日
  • 5年6か月:18日
  • 6年6か月以上:20日(上限)

2年6か月までは1年に1日ずつ、その後は1年に2日ずつ増え、20日で頭打ちになります。

3. パートタイムの比例付与

比例付与の対象になるのは、週の所定労働時間が30時間未満で、かつ 週の所定労働日数が4日以下(年間216日以下)の人です。週30時間以上働いている場合は、労働日数にかかわらず第2章のフルタイムの日数が適用されます。

以下の数字の並びは、6か月 → 1年6か月 → 2年6か月 → 3年6か月 → 4年6か月 → 5年6か月 → 6年6か月以上 の順です。

  • 週4日(年間169〜216日):7 → 8 → 9 → 10 → 12 → 13 → 15日
  • 週3日(年間121〜168日):5 → 6 → 6 → 8 → 9 → 10 → 11日
  • 週2日(年間73〜120日):3 → 4 → 4 → 5 → 6 → 6 → 7日
  • 週1日(年間48〜72日):1 → 2 → 2 → 2 → 3 → 3 → 3日

つまり、週3日勤務で勤続3年6か月のパートタイム労働者にも、年8日の有給があります。この点は本人に伝えられていないことが少なくありません。

4. 年5日の取得義務は「会社の義務」

2019年4月から、年に 10日以上 の年次有給休暇が付与されるすべての労働者について、会社は 基準日から1年以内に5日 を確実に取得させる義務を負っています。

押さえておきたい点は次のとおりです。

  • 対象には、有期契約労働者、10日以上付与されるパートタイム労働者、管理監督者 も含まれます。
  • 労働者本人が取得しない場合、会社は 本人の意見を聴いたうえで時季を指定し、できる限り本人の希望に沿うよう努めなければなりません。
  • 会社は 年次有給休暇管理簿(時季・日数・基準日を労働者ごとに記載)を作成し、3年間保存する義務があります。
  • 5日取得させなかった場合、労働基準法第120条により 30万円以下の罰金 の対象となります。

したがって「うちの会社は誰も有給を取らない」という説明は、制度上の理由になりません。5日に達していない状態は、むしろ会社側の義務違反にあたります。

5. 半日単位と時間単位の扱い

  • 半日単位:労働者が希望し会社が同意した場合、1回につき 0.5日 として年5日から差し引けます。
  • 時間単位:年5日には 算入できません。本人が自分の意思で取得した場合も同じで、会社が時季指定に使うこともできません。
  • 計画年休:労使協定で計画的付与を定めている場合、その日数は年5日に 算入されます

お盆や年末年始に工場が数日閉まり、その日が有給から差し引かれている場合は、計画年休である可能性が高いです。給与明細と年次有給休暇管理簿で、実際にその日が有給として記録されているか確認してください。控除項目の読み方は日本の給与明細の見方にまとめています。

6. 取得理由を説明する義務はない

年次有給休暇は、労働者が 請求する時季 に取得するのが原則です。「病気」「家族の用事」といった理由を書くことは法律上の要件ではありません。会社の申請書に理由欄があっても、理由が軽いという判断だけで取得を拒むことはできません。

会社が使えるのは 時季変更権 で、その有給を与えることが 事業の正常な運営を妨げる 場合に限り、時季を変更できます。これは拒否ではなく日程の変更であり、権利そのものは残ります。

また、労働基準法附則第136条は、年次有給休暇を取得した労働者に対して賃金の減額その他の不利益な取扱いをしないようにしなければならないと定めています。

7. 時効は2年

年次有給休暇は、発生した日から 2年間 行使できます。1年目に使い切らなかった分は翌年に繰り越されます。就業規則で繰り越しを禁止しても、法律上発生した権利は消えません。

だからこそ、残日数を年に一度確認しておくことが、消滅してから気づくよりはるかに現実的です。

8. 退職・転職するとき

外国人労働者が最も損をしやすいのがこの場面です。

年次有給休暇の権利は 退職日をもって消滅 します。退職日より後に時季を移す先がないため、退職前にまとめて申請された有給に対して、会社は 時季変更権を行使できません

実務上の進め方は次のとおりです。

  1. 残日数を、メールや勤怠システムなど 記録が残る方法 で確認する。
  2. 退職日が決まったら、最後の週ではなく 早い段階で申請 する。
  3. 申請書と会社からの返信の控えを保管する。

なお、退職や転職には入管への届出義務も別にあります。詳しくは14日以内の入管への届出をご覧ください。

9. 申請を断られた場合

実際に効果があるのは、おおむね次の順序です。

  1. 書面で申請する。 メールや勤怠システムには記録が残りますが、口頭では残りません。
  2. 証拠を集める。 給与明細、勤怠記録、シフト表、契約書の写し、上司からの返信を保管します。
  3. 自分の日数を計算する。 本記事の第2章または第3章の一覧で確認できます。
  4. 勤務先を管轄する労働基準監督署に相談する。
  5. 厚生労働省の外国人労働者向け相談ダイヤル(インドネシア語) を利用する:0570-001-715火曜・木曜10時〜15時(12時〜13時を除く)。12月29日〜1月3日は休みです。

有給の問題は、残業代の問題と同時に起きることがよくあります。残業代が全額支払われていない場合は、未払い賃金の証拠の集め方と申告方法残業代の計算方法を参照してください。外国人労働者の休暇と残業の権利の全体像は労働基準法から見た有給・残業の権利にまとめています。

10. 今週できる3つのこと

  • 自分の 基準日 を確認する。多くの場合は入社日の6か月後、以後は毎年その日付です。
  • 人事・総務に 残日数を書面で問い合わせる
  • この1年で5日に達していなければ、期限が近づく前に日程を申請する。

おわりに

年次有給休暇は会社からの好意でも、勤勉さの評価でもありません。法律で保障された労働条件の一部であり、2019年以降は、取得させなかった会社の側が罰則の対象になります。まず自分の日数を知ることが、最も費用のかからない第一歩です。

免責事項: 本記事は、2026年9月9日に確認した厚生労働省の公表資料にもとづいて作成しています。制度の内容や相談窓口の番号は変更されることがあり、実際の取扱いは雇用契約や就業規則によって異なる場合があります。本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の事情については、労働基準監督署または資格を持つ専門家にご相談ください。

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