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日本の残業代の計算方法:割増率25%・50%と時間外労働の上限(2026年)

約7分で読めます

残業代はいくらが正しいのか。割増率、1時間あたりの賃金の計算、残業時間の上限、支払われない場合の相談先までをまとめました。

残業代の計算方法 - Cara hitung uang lembur di Jepang: tarif 25%, 50%, dan 35%

日本で働くインドネシア人の多くが残業をしていますが、その残業代が正しく計算されているかどうかは分かりにくいものです。労働基準法は会社が支払うべき割増賃金の最低ラインを定めており、このルールは外国人・契約社員・アルバイト・派遣社員を問わず、すべての労働者に同じように適用されます。この記事では、2026年8月12日時点の公的情報をもとに、計算の手順を順番に説明します。

1. 労働時間の原則は1日8時間・週40時間

日本の法定労働時間は、休憩時間を除いて1日8時間以内・週40時間以内と決められています(労働基準法32条)。また会社は、毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません(法定休日、労働基準法35条)。

この枠を超えて働いた時間が法定時間外労働であり、会社は割増賃金を支払う義務があります。

さらに、会社は残業を勝手に命じることはできません。あらかじめ労働組合または労働者の過半数代表者と書面で協定を結び、労働基準監督署長に届け出る必要があります。これが労働基準法36条にもとづく36協定(サブロク協定)です。

2. 割増率の一覧

  • 時間外労働(月60時間以下): 25%以上の割増
  • 1か月60時間を超える時間外労働: 50%以上の割増
  • 深夜労働(午後10時〜午前5時): 25%以上を上乗せ
  • 法定休日の労働: 35%以上の割増

月60時間超の50%については、以前は中小企業への適用が猶予されていましたが、この猶予措置は2023年4月1日に廃止されました。現在は中小企業でも同じ割増率が適用されます。

割増賃金は雇用形態に関係なく、アルバイト・契約社員・派遣社員にも適用されます。派遣社員の割増賃金を支払う責任は派遣元にあります。

3. 1時間あたりの賃金の出し方

月給制の場合は、まず1時間あたりの賃金に換算します。

月給額 ÷ 1年間における1か月平均所定労働時間数 = 1時間あたりの賃金

ただし、すべての手当が計算に入るわけではありません。法律が算定基礎から除外してよいと認めているのは、次の7つだけです。

  1. 家族手当
  2. 通勤手当
  3. 別居手当
  4. 子女教育手当
  5. 住宅手当
  6. 臨時に支払われた賃金
  7. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

この7つは例示ではなく限定列挙です。職務手当や技能手当など、これ以外の賃金はすべて算入しなければなりません。また判断は名称ではなく実質によります。たとえば住宅手当という名前でも全員に一律で支払われている場合、その一律部分は算定基礎に含めます。

4. 計算例

次の条件で考えてみます。

  • 基本給20万円+職務手当2万円=22万円(通勤手当と家族手当は除外)
  • 1か月平均所定労働時間:160時間

1時間あたりの賃金 = 220,000円 ÷ 160時間 = 1,375円

  • 通常の時間外労働:1,375円 × 1.25 = 1,718.75円 → 1時間あたり1,719円
  • 月60時間を超える時間外労働:1,375円 × 1.5 = 1時間あたり2,063円
  • 深夜(午後10時〜午前5時)にかかる時間外労働(25%+25%):1,375円 × 1.5 = 1時間あたり2,063円
  • 法定休日の労働:1,375円 × 1.35 = 1時間あたり1,856円

その月に通常の残業を20時間した場合、残業代は 1,719円 × 20時間 = 34,380円 となります。

端数処理のルール

労働時間は1分単位で計算しなければなりません。切り上げは問題ありませんが、切り捨てはできません。認められている端数処理は次のとおりです。

  • 1か月の時間外労働時間数の合計:30分未満は切り捨て、30分以上は1時間に切り上げ
  • 1時間あたりの賃金額および割増賃金額:50銭未満は切り捨て、50銭以上は1円に切り上げ

したがって、毎日の残業を15分単位や30分単位で切り捨てる運用は認められません。

5. 残業時間の上限

残業時間の上限は法律で定められています(大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から施行)。

  • 原則は月45時間・年360時間
  • 36協定に特別条項を設けた場合でも、次を超えることはできません
  • 年720時間以内
  • 月100時間未満(休日労働を含む)
  • 複数月平均80時間以内(2か月平均から6か月平均、休日労働を含む)
  • 月45時間を超えられるのは年6か月まで

これに違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。

6. つまずきやすい2つのポイント

定額残業制(みなし残業)。 会社が残業代を定額の手当として支払うこと自体は認められています。ただし条件があり、割増賃金にあたる部分を基本給と明確に区別して就業規則などに明記すること、そして実際の残業代が定額を上回った場合は差額を支払うことが必要です。今月の不足分を翌月の余りと相殺することもできません。

管理監督者の扱い。 経営者と一体的な立場にある管理監督者は、労働時間・休憩・休日の規定の適用が除外されます。ただしその判断は、名刺の肩書ではなく、経営に関する決定への関与、自分の出退勤を決められる裁量、地位にふさわしい待遇といった実態によります。これらを満たさない場合、社内で管理職と呼ばれていても残業代の支払いが必要です。なお、深夜割増賃金と年次有給休暇は管理監督者にも適用されます。

7. 残業代が支払われないとき

残業代が支払われないこと、いわゆるサービス残業は、厚生労働省が賃金不払残業と呼ぶ労働基準法違反の行為です。

まず証拠を集めてください。

  • 毎月の給与明細
  • 労働条件通知書または雇用契約書
  • 出退勤の記録:タイムカードの写真、手帳やスマートフォンの個人的な記録、業務メールやチャットの履歴

時効に注意してください。 賃金請求権は賃金支払日から3年で時効になります。2020年4月1日の改正で原則5年に延長されましたが、当分の間は3年とされています。放置せず早めに動くことが大切です。

相談先は次のとおりです。

  • 労働基準監督署(勤務先を管轄する署)。申告は無料で、労働基準監督官が会社に直接改善を求めます。
  • 外国人労働者向け相談ダイヤル(インドネシア語):0570-001-715、火曜と木曜の午前10時〜午後3時(正午〜午後1時を除く)。通話料がかかります。
  • 労働条件相談ほっとライン(インドネシア語):0120-613-803、無料。行政機関の閉庁後や土日祝日にも対応します。開設曜日は言語ごとに異なるため、公式ページで確認してください。

労働契約書や給与明細を持参すると、担当者に状況が伝わりやすく、手続きが早く進みます。

まとめ

覚えておきたいのは、まず自分の1時間あたりの賃金を出し、該当する割増率(1.25/1.5/1.35)を掛けて、給与明細の金額と見比べるという手順です。差が大きい場合は労働時間の証拠を保管し、労働基準監督署やインドネシア語の相談窓口に相談してください。これは国籍や在留資格に関係なく、日本で働くすべての人に認められた権利です。

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参考・公式情報

以下のリンクはいずれも2026年8月12日に最終確認しました。

免責事項

この記事は2026年8月12日時点の日本政府の公的情報にもとづく一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。制度は変更される可能性があり、契約内容・就業規則・個々の状況によって取り扱いが異なる場合があります。個別のケースについては、労働基準監督署または資格を持つ専門家にご相談ください。

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