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日本の労働条件通知書の読み方:書面で示されるべき6項目と2024年4月に増えた4項目

約7分で読めます

働きはじめる前に会社が交付すべき労働条件通知書。書面で示されるべき6項目、2024年4月1日から加わった4項目(就業場所・業務の変更の範囲、更新上限など)、通算5年の無期転換ルール、署名前の確認リストをまとめます。

Ilustrasi seorang pekerja asing berseragam kerja biru sedang membaca lembar surat pemberitahuan syarat kerja (roudou jouken tsuuchisho) sambil memegang pena, dengan ikon kalender, jam, dan daftar periksa di sekitarnya

日本で働きはじめる前に、会社はあなたの労働条件を書いた書類を渡さなければなりません。その書類の名前が**労働条件通知書(roudou jouken tsuuchisho)**です。受け取って署名し、そのまましまい込んでしまう人が少なくありませんが、給料・労働時間・勤務地の変更でもめたとき、最初に根拠になるのがこの書類です。

2024年4月1日から、この書類に書かなければならない事項が4つ増えました。この記事では、必ず書いてあるべきこと、新しく加わったこと、署名する前に確認すべきことを説明します。

この記事の内容は、2026年10月7日に厚生労働省の公式ページで確認したものです。

1. 混同されやすい2つの書類

  • 労働条件通知書 — 労働基準法第15条にもとづく会社の義務です。会社はこれをあなたに交付しなければならず、最低限書くべき事項は省令で決まっています。
  • 雇用契約書 — あなたと会社が署名する二者間の契約書です。法律が様式を義務づけているものではありませんが、多くの会社が使っています。

この2つを1枚にまとめている会社も多く、表題に「兼」という字が入っていることがあります。大切なのは書類の名前ではなく、必要な事項が実際に書かれているかどうかです。

渡し方の基本は書面の交付です。口頭の説明だけだった場合や、少し見せられただけで書類は会社が持ったままという場合は、自分で保管する分を1部もらってください。

2. 書面で明示されるべき6項目

労働基準法第15条と同法施行規則により、契約を結ぶときに次の事項は書面で示される必要があります。

  1. 労働契約の期間 — 期間の定めのない契約(無期)か、期間の定めのある契約(有期)か。有期なら開始日と終了日が明確であること。
  2. 更新する場合の基準 — 有期契約の場合のみ。どういう基準で更新する/しないかが書かれていること。
  3. 就業の場所・従事すべき業務 — どの工場・支店・現場で、どんな仕事をするか。
  4. 労働時間と休日 — 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制がある場合はその内容。
  5. 賃金 — 決定・計算・支払の方法、賃金の締切りの日、支払の日。
  6. 退職に関する事項 — 解雇の事由を含みます。

昇給についても明示の対象ですが、この項目は口頭での説明でも認められています。書面に見つからなくても異常ではないので、その場で聞いてください。

3. 2024年4月1日から加わった4項目

2024年4月1日から労働基準法施行規則が改正され、次の4項目も明示の対象になりました。

a. 就業場所・業務の変更の範囲

すべての労働者が対象で、有期契約の人だけではありません。書くべきなのは今の勤務地だけでなく、将来どこまで変更される可能性があるかです。たとえば同じ工場の中だけなのか、日本全国の支店までありうるのかという範囲です。

この項目は、契約を新しく結ぶときと、契約を更新するたびに明示されます。インドネシア人労働者にとってはここが最もトラブルになりやすい項目です。勤務地の変更は、引っ越し・通勤費・生活圏の変化に直結します。

b. 更新上限

有期契約の労働者が対象です。会社は更新上限の有無(通算契約期間の上限、たとえば「通算5年まで」、あるいは更新回数の上限、たとえば「更新は3回まで」)を明示し、ある場合はその内容も明示しなければなりません。

途中で更新上限を新しく設ける、または短くする場合は、会社はその変更が適用される前に理由を説明する必要があります。

c. 無期転換申込機会

無期転換の要件を満たした時点(第4節参照)で、会社は申込みができることをあなたに知らせなければなりません。この知らせは、その権利がある間、更新のたびに必要であり、一度だけではありません。

d. 無期転換後の労働条件

(c)とあわせて、無期契約になったあとの労働条件(賃金・労働時間・勤務地など)も知らせる必要があります。決める前に判断できるようにするためです。

4. 無期転換ルール

労働契約法第18条の仕組みです。

  • 同一の使用者との有期労働契約が更新され、通算の契約期間が5年を超えたときは、無期労働契約への転換を申し込むことができます。
  • 申し込むのは労働者本人で、会社ではありません。自動では進みません。
  • 要件を満たしたうえで申し込んだ場合、会社は断ることができません。

タイミングの例:

  • 1年契約を更新し続けた場合 → 通算5年を超える更新、つまり6年目の契約のときに権利が生じます。
  • 3年契約の場合 → 1回更新すると通算6年になるため、その2回目の契約期間の中で権利が生じます。

はっきり分けて理解しておきたい点: この転換が変えるのは労働契約であって、在留資格ではありません。在留期間は、あなたが持っている在留資格の種類に応じて出入国在留管理庁が決めます。無期契約になったからといって、それだけで在留期間が延びるわけではありません。技能実習・特定技能・育成就労の場合は、その在留資格ごとに在留期間の決まりがあります。自分のケースで両者がどう関係するかは、受入れ企業と支援機関に確認してください。

5. 署名する前の確認リスト

手元の書類で、次の項目を1つずつ確認してください。空欄があったり意味が分からなかったりする項目は、聞いてから署名してください。

  1. 契約の開始日と終了日が書かれている。
  2. 有期契約の場合、更新の基準が書かれており、更新上限の有無も書かれている。
  3. 今の就業場所が書かれており、かつ変更の範囲も書かれている。
  4. 従事する業務が書かれており、かつ変更の範囲も書かれている。
  5. 始業時刻・終業時刻・休憩時間・休日が具体的な数字で書かれている。
  6. 基本給が「会社の規定による」ではなく金額で書かれている。
  7. 賃金の締切日と支払日が書かれている。
  8. 時間外労働・深夜労働・休日労働の割増の扱いが書かれている。
  9. 給料から引かれるもの(寮費・光熱費・食費などがある場合も含めて)が書かれている。
  10. 解雇の事由が書かれている。
  11. 自分の手元に1部ある。会社が用意している場合は、自分が理解できる言語のものも受け取る。

働きはじめたら、この書類の内容と毎月の給与明細を突き合わせてください。読み方は給与明細と控除の読み方のガイド、残業代の計算は残業代の計算方法にあります。

6. 契約の内容と実際が違うとき

労働時間・給料・勤務地・仕事の内容が書面と違う場合の進め方です。

  1. 書類を確保する。 労働条件通知書を撮影またはスキャンし、他人が持ち出せない場所に保管します。給与明細と勤務時間の記録もあわせて保管します。
  2. 違いを記録する。 日付、書面にあること、実際に起きたこと。手帳やスマートフォンの簡単なメモでも役に立ちます。
  3. まず社内で話す。 状況が許すなら、上司・人事・支援機関に相談します。
  4. 解決しない場合は外部へ。 勤務先の地域を管轄する労働基準監督署が労働基準法違反を扱います。厚生労働省は、外国語対応のある外国人労働者向けの相談窓口も用意しています。

給料や残業代が支払われない場合に集めるべき証拠と申告の流れは、給料・残業代が支払われないときのガイドでくわしく扱っています。

7. 関連する内容

おわりに

労働条件通知書は形式的な書類ではありません。何かあったときに「ここに書いてある」と示せる線引きそのものです。最初に一度ていねいに読むほうが、1年たってから状況を直すよりはるかに簡単です。

ご注意: この記事は一般的な説明を目的としたもので、個別の事案についての法的助言ではありません。制度の適用は在留資格の種類・契約の内容・会社の取扱いによって異なることがあります。ご自身のケースに関わる判断は、労働基準監督署、外国人労働者向けの相談窓口、または専門家にご相談ください。制度の内容は変わることがあります。この記事が参照した情報の確認日は2026年10月7日です。

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