ビル清掃の日本語:道具・洗剤の安全・ゴミの分別・報告の言い方(JLPT N4〜N3)
ビル清掃は、人が使っている場所で行う仕事です。だから必要な日本語は道具の名前だけではありません。道具、洗剤の危険表示、館内の場所、ゴミの分別、チェック表と報告の言い方を、インドネシア語話者向けにN4〜N3の水準で整理しました。

目次
ビル清掃の日本語:道具・洗剤の安全・ゴミの分別・報告の言い方(JLPT N4〜N3)
オフィスビル、商業施設、マンションなどでの清掃の仕事には、教科書にあまり書かれていない特徴があります。人が使っている場所で作業をする、という点です。そのため必要な日本語は、道具の名前だけではありません。通る人への声かけ、入居者からの質問への答え方、そして見つけたことを書いて伝える言葉が必要になります。
この記事では、ビル清掃の現場でよく使う語彙と表現をまとめます。道具、洗剤と危険表示、館内の場所の名前、ゴミの分別、チェック表と日報です。対象はJLPT N4〜N3です。
清掃の日本語が独特に感じられる三つの理由
一つ目は、指示の多くが短いて形で来ることです。「先に廊下を掃いて」「ここ、拭いておいて」。
二つ目は、安全に関わる注意の多くが、口ではなくボトルや掲示に書かれていることです。「混ぜるな危険」や「換気」が読めなければ、誰も代わりに読んではくれません。
三つ目は、話す相手が二種類いることです。先輩や同僚と、建物を使う入居者・来館者です。後者にはいつも丁寧な形を使います。
1. 道具と備品
- ほうき — 床を掃く道具
- ちりとり — ゴミを受ける道具
- モップ — 床を拭く道具
- バケツ — 水を入れる容器
- 雑巾(ぞうきん)— 拭くための布
- 掃除機(そうじき)— ゴミを吸う機械
- ポリッシャー — 床を磨く機械
- デッキブラシ — 柄の長いブラシ
- スクイジー — ガラスの水を切る道具
- ゴミ袋(ごみぶくろ)
- 台車(だいしゃ)— 荷物を運ぶ車
- 脚立(きゃたつ)— 折りたたみの踏み台
混同しやすい語があります。掃除機は機械そのもの、掃除は作業のことです。「掃除機をかける」は機械を使って吸う作業を指します。
2. 洗剤と危険表示
ここは自分の安全に直接かかわる部分です。
- 洗剤(せんざい)
- 中性洗剤(ちゅうせいせんざい)
- 塩素系(えんそけい)
- 酸性(さんせい)
- 漂白剤(ひょうはくざい)
- 混ぜるな危険(まぜるなきけん)
- 換気(かんき)
- 希釈(きしゃく)— 水で薄めること
- 原液(げんえき)— 薄める前の液
- 保護手袋(ほごてぶくろ)
- 目に入る(めにはいる)
- 吸い込む(すいこむ)
「混ぜるな危険」は、塩素系の洗剤と酸性の洗剤の容器に書かれています。理由は単純で、そして重大です。混ざると有毒なガスが発生することがあるからです。そのため、日本のほとんどの現場では次の二つが守られています。
- 見た目が似ていても、二種類の洗剤を混ぜない。
- トイレや狭い場所の作業では、先に窓やドアを開ける。これが換気です。
聞いたときに分かるようにしておきたい言い方です。
- これは塩素系なので、酸性のものと混ぜないでください。
- 使う前に、必ず換気してください。
- 原液のまま使わないでください。
中身が分からないボトルがあったときに最も安全な一文は、「これは何の洗剤ですか。」です。
3. 館内の場所の名前
- 共用部(きょうようぶ)— みんなが使う部分
- 廊下(ろうか)
- 階段(かいだん)
- エントランス — 建物の入口
- エレベーター
- 給湯室(きゅうとうしつ)
- 会議室(かいぎしつ)
- 洗面台(せんめんだい)
- 便器(べんき)
- 男子トイレ/女子トイレ
- ゴミ置き場(ごみおきば)
- 非常口(ひじょうぐち)
作業表では、担当範囲が「共用部」と書かれることが多く、廊下・階段・エントランス・トイレが含まれます。
4. 作業の動詞
- 掃く(はく)
- 拭く(ふく)
- 磨く(みがく)
- 吸う(すう)— 掃除機で吸う
- 流す(ながす)
- 補充する(ほじゅうする)
- 回収する(かいしゅうする)
- 分別する(ぶんべつする)
- 片付ける(かたづける)
- 並べる(ならべる)
- 消毒する(しょうどくする)
- 乾かす(かわかす)
先輩からの指示はほとんどがて形です。
- 先に廊下を掃いてください。
- ここ、拭いておいて。
- トイレットペーパーを補充しておいてください。
- 床が濡れているので、乾かしてから看板を外してください。
5. ゴミの分別
分別の決まりは、市区町村ごと、建物ごとに違います。覚えておきたいのは、ゴミ箱に書かれている基本の区分です。
- 燃えるゴミ
- 燃えないゴミ
- 資源ゴミ(しげんごみ)
- ペットボトル
- カン
- ビン
- ダンボール
- 生ゴミ(なまごみ)
- 機密書類(きみつしょるい)
新しく入った人が迷いやすいのが紙です。事務室から出る紙は、いつも普通のゴミに出せるとは限りません。「機密」と書かれた書類は、専用の箱かシュレッダーに入れます。迷ったときは推測せず、「この紙はどこに捨てますか。」と聞いてください。
6. 入居者・来館者への言い方
同僚以外の人には丁寧な形を使います。次の八文で、日常のほとんどの場面がまかなえます。
- 失礼します。
- ただいま清掃中です。
- 足元にご注意ください。
- 床が滑りますので、お気をつけください。
- こちらは今使えません。
- あちらのトイレをご利用ください。
- すぐに終わります。
- 担当者に確認します。
最後の一文が大切です。自分の担当外のことを頼まれたときは、その場で可否を答えるより、「担当者に確認します」と伝えるほうが安全です。
7. チェック表と報告
- 清掃チェック表(せいそうチェックひょう)
- 日常清掃(にちじょうせいそう)
- 定期清掃(ていきせいそう)
- 作業日報(さぎょうにっぽう)
- 完了(かんりょう)
- 未実施(みじっし)
- 破損(はそん)
- 故障(こしょう)
- 詰まり(つまり)
- 補充済み(ほじゅうずみ)
- 忘れ物(わすれもの)
- 立入禁止(たちいりきんし)
報告でよく使う文です。
- 三階のトイレが詰まっています。
- 掃除機が故障しました。
- 階段の手すりが破損しています。
- 会議室に忘れ物がありました。
- 二階は完了しました。
多くの会社で共通する決まりがあります。忘れ物は自分で動かさず、まず責任者に報告することです。
8. よく使うN4〜N3の表現
- 〜ておく … 準備としてしておく。「モップを洗っておきます。」
- 〜てから … 先に一つを終えてから次へ。「掃いてから拭きます。」
- 〜ないでください … 依頼としての禁止。「ここに置かないでください。」
- 〜ようにしてください … 習慣としてそうする。「換気するようにしてください。」
- 〜たほうがいいです … 助言。「看板を出したほうがいいです。」
- 〜てもいいですか … 許可を求める。「先に休憩してもいいですか。」
9. 小さな練習
- ボトルに「混ぜるな危険」と書いてあります。作業のうえで何を意味しますか。
- 補充すると回収するの違いは。
- 「先に廊下を掃いて」と言われたら、何から始めますか。
- 床がすべることを来館者に伝えるには。
- 三階のトイレが詰まっているとき、どう報告しますか。
答え:
- 他の洗剤と混ぜてはいけないということ。有毒なガスが出ることがあるためです。
- 補充はトイレットペーパーや石けんなどを足すこと。回収はゴミなどを集めて持っていくこと。
- 廊下を掃きます。
- 床が滑りますので、お気をつけください。
- 三階のトイレが詰まっています。
10. 現場での学び方
清掃の語彙は範囲が限られ、毎日くり返し出てくるので、覚えるのは速いはずです。効率がよいのは、白紙の清掃チェック表を一枚もらうか写しておき、家で落ち着いて読むことです。その一枚に、場所の名前、作業の名前、結果を書く言葉のほとんどが入っています。
もう一つ役に立つ習慣があります。洗剤のボトルで読めない表示を見つけたら、その日のうちに書き留めて責任者に聞くことです。安全に関する表示は、推測してはいけない日本語です。
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免責事項
この記事で紹介した用語・分別区分・作業の流れは、日本の建物で広く使われている一般的な例です。ゴミの分別は市区町村や建物の管理者によって異なり、安全手順や報告の書き方も会社ごとに違います。洗剤と安全に関わることは、必ず容器の表示と職場の責任者の指示に従ってください。




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