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建設現場の日本語:道具・材料・寸法・職長の指示(JLPT N4〜N3)

約5分で読めます

建設現場の道具と材料の語彙、ミリ単位の寸法の言い方、職長からの短い指示、クレーンの合図、そして報告の型まで。日本の建設現場で働く N4〜N3 レベルの人のための日本語。

Ilustrasi seorang shokuchou Jepang menunjuk gambar kerja sambil menjelaskan kepada pekerja Indonesia yang memegang meteran, dikelilingi helm, waterpass, pipa perancah, dan kait crane di lokasi konstruksi

建設現場の日本語:道具・材料・寸法・職長の指示

建設(けんせつ)は、日本で働くインドネシア人がとくに多い分野のひとつです。現場(げんば)で使われる日本語には特徴があります。文がとても短く、専門的な名詞が多く、数字が速く言われることです。N3に合格した人でも初日に戸惑うのは、文法ではなく、聞いたことのない語彙が理由です。

この記事は、建設・解体・内装・足場の現場で働く(これから働く)JLPT N4〜N3 レベルの読者に向けたものです。

1. 現場にいる人たち

道具の名前より先に、だれがだれを呼ぶのかを知っておきましょう。呼び方を間違えると気まずくなります。

  • 職長(しょくちょう)— 作業班の責任者。毎日の指示を出す人
  • 親方(おやかた)— 職人の親分。ベテランの監督への親しい呼び方
  • 元請け(もとうけ)— 元請会社
  • 下請け(したうけ)— 下請会社
  • 作業員(さぎょういん)— 作業する人
  • 新規入場者(しんきにゅうじょうしゃ)— その現場に初めて入る人

初日はほぼ必ず「新規入場者教育」を受けます。その現場に初めて入る人のための説明です。

2. よく出てくる道具

  • 脚立(きゃたつ)
  • 足場(あしば)
  • 水平器(すいへいき)
  • 差し金(さしがね)
  • メジャー
  • インパクト
  • 電動ドリル(でんどうドリル)
  • 金づち(かなづち)
  • のこぎり
  • バール
  • 一輪車(いちりんしゃ)— 現場では「ネコ」とも呼びます
  • 養生シート(ようじょうシート)

「養生」は動詞としてもよく使います。「ここ、養生しておいて。」は「ここを傷や汚れから守っておいて」という意味です。

3. 材料と建物の部位

  • 鉄筋(てっきん)
  • 型枠(かたわく)
  • 生コン(なまコン)
  • 合板(ごうはん)
  • 石膏ボード(せっこうボード)
  • 断熱材(だんねつざい)
  • 基礎(きそ)
  • 柱(はしら)
  • 梁(はり)
  • 壁(かべ)
  • 床(ゆか)
  • 天井(てんじょう)

溶接の作業と語彙については、別の記事溶接の日本語で扱っています。

4. 寸法と数字

ここがいちばん作業ミスにつながる部分です。現場の単位はほぼミリメートルで、みんな「ミリ」とだけ言います。

  • 寸法(すんぽう)
  • 長さ(ながさ)
  • 幅(はば)
  • 高さ(たかさ)
  • 厚さ(あつさ)
  • 水平(すいへい)
  • 垂直(すいちょく)
  • 隙間(すきま)

よく聞く言い方です。

  • 「910で切って。」— 910ミリで切ってください。
  • 「5ミリ長いよ。」— 5ミリ長すぎます。
  • 「あと3ミリ、詰めて。」— あと3ミリ寄せてください。
  • 「水平、見て。」— 水平を確認してください。

910と1820がよく出るのは、日本の板の標準寸法(三六判/さんろくばん)だからです。数字と単位の読み方が不安な方は、日本語の数字・単位・数え方で復習してください。

寸法に関係する作業のことばです。

  • 墨出し(すみだし)— 床や壁に基準の線を出すこと
  • 芯(しん)— 中心線
  • 仮止め(かりどめ)— 仮に留めておくこと
  • 本締め(ほんじめ)— 最後に本格的に締めること

「仮止め」と「本締め」の違いはとても大切です。まだ仮の段階なのに本締めしてしまうと、次の工程で調整できなくなります。

5. 職長からよく出る指示

現場の指示は、主語のない短い文がほとんどです。

  • 「ちょっと手伝って。」
  • 「これ、上げて。」
  • 「そっち持って。」
  • 「先にこっちやって。」
  • 「片付けといて。」
  • 「危ないから下がって。」

区別しておきたい2つの形です。

  • 〜て = 今やる
  • 〜といて(〜ておいて)= あとのために準備としてやっておく

聞き取れなかったときは、うなずかないでください。次の一言が助けになります。

  • 「すみません、もう一度お願いします。」
  • 「どこですか。指してもらえますか。」

6. 荷物を上げるときの合図

クレーンや玉掛け(たまかけ)の作業では、合図は短く叫ばれ、すぐに理解する必要があります。

  • 「巻け」(まけ)— 上げる
  • 「巻き下げ」(まきさげ)— 下ろす
  • 「ゆっくり」
  • 「ストップ」
  • 「よし」— 大丈夫、安全
  • 指差し確認(ゆびさしかくにん)— 指をさして声に出して確認すること

少しでも不安を感じたら「ストップ」と言ってください。日本の現場では、作業を止めることは失敗とは見なされません。危険・安全の語彙は職場の安全と危険の日本語にまとめています。

7. 報告のしかた

型は他の業種と同じです。どこで → 何があったか → 自分は何をするか

  • 「3階で材料が足りません。」
  • 「型枠が少しずれています。」
  • 「インパクトが壊れました。今、代わりを借りています。」
  • 「終わりました。次、何をしますか。」

最後の一文は評価につながります。指示を待つだけではないことが伝わるからです。報告の基本は報・連・相の基本をご覧ください。

8. よくある三つの失敗

  1. 分かっていないのに「はい」と答える。 現場では数字の聞き違いが材料の無駄につながります。指でさしてもらうほうが安全です。
  2. 「だいたいでいい」を「適当でいい」と受け取る。 意味は「ここは高い精度は要りません」であって、「雑でよい」ではありません。許容範囲が分からなければ「何ミリまで大丈夫ですか。」と聞きましょう。
  3. 道具が壊れても報告しない。 壊れたまま使うと事故につながります。報告する恥ずかしさより、結果のほうがずっと大きくなります。

勤務時間・勤怠、「早出」「残業」などの言い方はシフト・勤怠の日本語をご覧ください。

9. 小さな練習

上を見ずに答えてみましょう。

  1. 「ここ、養生しておいて。」の「養生」の意味は?
  2. 「仮止め」と「本締め」の違いは?
  3. 「5ミリ長すぎます」を現場ではどう言う?
  4. クレーンが動いているときに危ないと感じたら、何と叫ぶ?
  5. 「職長」とはどんな人?

答え: (1) 傷や汚れから守る、覆っておくこと。(2) 仮止めはまだ調整できる仮の固定、本締めは最後の本格的な締めつけ。(3)「5ミリ長いよ。」(4)「ストップ」。(5) 毎日の作業指示を出す作業班の責任者。

ご注意

用語、役職の呼び方、合図のルールは、会社ごと・現場ごとに異なります。この記事は日本語学習のための教材であり、勤務先の安全教育や作業マニュアルに代わるものではありません。現場では必ず職長の指示と正式なルールに従ってください。

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