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永住許可ガイドライン改定案(2026年8月4日公表)— 収入・年金・日本語B1はこう変わる

約6分で読めます

出入国在留管理庁が2026年8月4日に永住許可ガイドライン改定案を公表しました。収入水準の引き上げ、将来の年金見込額の新規追加、CEFR・B1相当の日本語能力、配偶者特例の婚姻5年・在留3年への伸長が柱です。意見募集は2026年9月3日必着。

永住の要件が変わる - Aturan izin tinggal permanen (eijuu) Jepang akan diperketat

2026年8月4日、出入国在留管理庁が「永住許可に関するガイドライン改定案」を公表し、パブリックコメントの募集を開始しました。収入の水準が引き上げられ、将来の年金見込額が新たに評価対象となり、日本語能力はCEFR・B1相当が求められる内容です。この記事では、改定案の中身、まだ決まっていないこと、今から準備できることを整理します。

2026年8月4日に公表されたこと

出入国在留管理庁は同日、次の2つの案を公表しました。

  1. 永住許可に関するガイドライン改定案
  2. 永住者の在留資格の取消しに関するガイドライン案

このうち永住許可に関するガイドライン改定案の意見募集期間は、2026年8月4日(火)から2026年9月3日(木)まで(必着)です。

これはまだであり、確定した制度ではありません。意見募集の後に内容が変わる可能性があります。この記事の内容は2026年8月10日時点で確認したものです。

「永住者」の位置付けが初めて明記

改定案では、「永住者」は活動・期間の制限が無く、生涯を本邦で過ごすことが想定される最も安定した法的地位であるとされ、そのために特に慎重な審査を行う必要があることが初めて明記されました。

この位置付けが、以下の見直しすべての前提になっています。

改定案で変わる点

1. 素行善良要件:変更なし

公表された概要には「特段変更無し」と記載されています。

2. 独立生計要件:引き上げ

  • 考え方: 現在および将来において、日本人と同等水準以上の経済条件を求めることが明記されました。
  • 収入: 世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準の額に継続して達しているかが見られます。現行より基準が引き上げられます。
  • 年金(新規追加): 将来の受給見込額が、上記の年収水準で30年間厚生年金に加入していた場合の水準に達しているかが見られます。不足する場合は、それを補填できる金融資産も考慮されます。

3. 国益要件:評価項目が追加

  • 考え方: その外国人の永住が積極的かつ具体的に日本国に利益をもたらす必要があることが明記されました。
  • 公共の負担とならないこと: 独立生計要件が不要な類型(日本人・永住者・特別永住者の配偶者または子、難民等)であっても、公共の負担となるおそれが現実的であれば消極的に評価されます。
  • 日本語能力: CEFR(日本語教育の参照枠)・B1相当(自立した言語使用者)が求められます。
  • 我が国の制度等の理解: 理解が乏しい方は消極的に評価されます。
  • 子の就学: 学齢期(義務教育期間)に子を就学させていない場合、消極的に評価されます。

4. 10年在留の特例が伸長

日本人・永住者の配偶者等については、これまで婚姻3年かつ在留1年で特例が認められていました。改定案では、これが婚姻5年かつ在留3年に伸長されます。

適用時期の予定

公表された概要には次のように記載されています。

  • 原則:令和9年(2027年)4月から
  • 収入に関する要素:2026年10月から

適用時期も案の一部であるため、内容とあわせて変わる可能性があります。

現在有効なのは2026年2月24日改訂版

改定が確定するまでは、令和8年(2026年)2月24日改訂の永住許可に関するガイドラインが有効です。主な内容は次のとおりです。

  • 原則として引き続き10年以上日本に在留していること。うち、就労資格または居住資格で5年以上在留していることが必要で、「技能実習」および「特定技能1号」はこの5年に含まれません。
  • 罰金刑や拘禁刑などを受けておらず、公的義務(納税、公的年金・公的医療保険の保険料の納付、入管法に定める届出等)を適正に履行していること。申請時点で納付済みでも、当初の納付期限内に履行していない場合は原則として消極的に評価されます。
  • 現に有している在留資格について、最長の在留期間をもって在留していること。ただし令和9年3月31日までの間は、在留期間3年も最長の在留期間として取り扱われます。

現行の要件・手続および永住者の在留資格取消しルールの詳細は永住権(永住者)の条件と取消しルールで解説しています。在留カードの様式変更については新様式の在留カードと在留期間をご覧ください。

今から準備できること

  1. 収入の記録を毎年残す。 給与明細、市区町村の課税証明書・納税証明書を保管してください。見られるのは継続性であり、1年だけ良い数字を出しても評価されにくい構造です。
  2. 税金と保険料を期限内に納める。 現行ガイドラインでも、期限後の納付は原則として消極的に評価されます。住民税について不安がある方は住民税のよくある質問をご確認ください。
  3. 年金の加入記録に空白を作らない。 改定案の年金の項目は将来の受給見込額を見るもので、その見込額は今日の加入記録から作られます。
  4. 日本語能力を上げる。 改定案はCEFR・B1相当と記載しており、JLPTの級との対応は示されていません。N3なら大丈夫といった判断は、公式の説明が出るまで避けてください。
  5. 学齢期のお子さんを就学させる。
  6. 配偶者としての特例を使う予定がある方は、2027年4月から婚姻5年・在留3年に伸長される予定であることを踏まえ、申請時期を検討してください。

永住にこだわらず長期就労を続ける道としては、特定技能2号という選択肢もあります。国籍取得を検討している方は要件が異なりますので、帰化の記事もあわせてご覧ください。

まだ分からないこと

  • 世帯人数ごとの「日本人世帯の平均収入」の具体的な金額は、公表された概要には示されていません。
  • CEFR・B1をどう証明するか(どの試験・どの証明書か)も、概要には示されていません。
  • 施行時に審査中の申請の取扱いについても示されていません。

したがって、この改定案だけを根拠に、退職・帰国・申請の先送りといった大きな判断をされないようご注意ください。

意見の提出方法

意見はe-Gov、電子メール、郵送のいずれかで、2026年9月3日必着で提出できます。募集要領では、意見は日本語に限ること、理由を付すこと、氏名・住所等の連絡先を記載することが求められています。個別の回答は行われません。

参考・公式情報

  • 出入国在留管理庁「「永住者」の適正化に係るパブリック・コメントの実施について」:https://www.moj.go.jp/isa/11_00112.html
  • 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン改定(案)(概要)」(PDF):https://www.moj.go.jp/isa/content/001467985.pdf
  • 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」:https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan50.html
  • e-Gov「永住許可に関するガイドライン改定案に係る意見募集について」:https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=315000140&Mode=0
  • 出入国在留管理庁「永住許可制度の適正化Q&A」:https://www.moj.go.jp/isa/immigration/faq/kanri_qa_00003.html

最終確認日:2026年8月10日

ご注意

この記事は公表された公的資料をもとにした一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。改定案の内容は変更される可能性があります。個別のご事情については、お住まいの地域の出入国在留管理局、外国人在留支援センター(FRESC、0570-011000)、または行政書士等の専門家にご相談ください。

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