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農業で働く人の日本語:道具の語彙、畑とハウスでの指示、収穫の報告(JLPT N4〜N3)

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畑では、指示が天気と作物の生育によって変わり、短い言葉で歩きながら伝えられます。道具の語彙、農作業の動詞、選別の用語、報告の表現をN4〜N3の範囲で整理しました。

Ilustrasi dua pekerja pertanian di dalam rumah kaca Jepang: satu memanen tomat ke dalam krat plastik, satu berlutut memeriksa tray bibit, dikelilingi keranjang panen, gunting pangkas, gulungan selang air, dan kereta dorong kecil

農業で働く人の日本語:道具の語彙、畑とハウスでの指示、収穫の報告(JLPT N4〜N3)

日本の農業の仕事は、工場や倉庫とは言葉の性質が違います。工場では指示の多くが書かれていて、毎日ほぼ同じ内容が繰り返されます。畑では、天気と作物の生育、その日の出荷量によって指示が変わります。親方は歩きながら短い言葉で指示を出し、聞いた人はすぐ動くことが期待されます。

ですから、農業の語彙は単語帳のように覚えるだけでは足りません。必要なのは三つです。手に持つ物の名前、その物に何をするかを表す動詞、そして何かおかしいときに伝える短い一文。この記事では、その三つをJLPT N4〜N3の範囲で整理します。

農業の日本語が難しく感じる理由

特徴的な理由が三つあります。

  • 教科書にほとんど出てこない語が多くあります。「畝」「定植」「追肥」などです。
  • 作物ごとに言い方が変わります。いちご、トマト、レタスでは、収穫を表す動詞も扱い方の言葉も違います。
  • 指示が丁寧な文ではなく、短い命令の形で来ます。「〜てください」より「早くして」「置いといて」のほうがよく聞こえます。

ただし、農業で使う中心の語はそれほど多くありません。六十から八十語ほど身につけば、畑での毎日の会話はかなり楽になります。

1. 毎日手に取る道具と機械

  • 鍬(くわ)— 土を耕す道具
  • 鎌(かま)— 草や茎を刈る道具
  • 剪定ばさみ(せんていばさみ)— 枝を切るはさみ
  • 収穫かご(しゅうかくかご)— 収穫物を入れるかご
  • コンテナ — 収穫物を入れるプラスチックの箱
  • 苗(なえ)— 植える前の若い株
  • 苗箱(なえばこ)— 苗を育てるトレー
  • 肥料(ひりょう)— 作物に与える養分
  • 農薬(のうやく)— 病害虫を防ぐ薬
  • 噴霧器(ふんむき)— 薬や液体をまく道具
  • 管理機(かんりき)— 小型の耕うん機
  • トラクター — 大型の農業機械

安全のための注意が一つあります。農薬と肥料は近くに置かれ、容器も似ていることがあります。決して推測しないでください。ラベルが読めないときは「これは肥料ですか、農薬ですか」と必ず聞いてください。

2. 農作業の動詞

  • 種をまく(たねをまく)— 種を土に置く
  • 定植する(ていしょくする)— 苗を畑に植えつける
  • 収穫する(しゅうかくする)— 実や葉を取る
  • 摘む(つむ)— 手で摘み取る
  • 選別する(せんべつする)— 品質ごとに分ける
  • 袋詰めする(ふくろづめする)— 袋に入れる
  • 箱詰めする(はこづめする)— 箱に入れる
  • 剪定する(せんていする)— 枝や葉を切る
  • 草を取る(くさをとる)— 雑草を抜く
  • 水をやる(みずをやる)— 水を与える
  • 追肥する(ついひする)— 生育の途中で肥料を足す
  • 出荷する(しゅっかする)— 収穫物を市場へ送る

「定植」と「播種(はしゅ)」の違いに注意してください。播種は苗箱に種をまくこと、定植は育った苗を畑の畝に植えかえることです。新しく入った人がよく混同しますが、作業の順番も使う道具も違います。

3. 場所と畑の各部分の名前

  • 畑(はたけ)— 水を張らない耕地
  • 田んぼ(たんぼ)— 稲を育てる水田
  • 圃場(ほじょう)— 農地を指す正式な語。書類に出てきます
  • ビニールハウス — ビニールで覆った栽培施設
  • 畝(うね)— 作物を植えるために盛り上げた土の列
  • マルチ — 畝を覆うビニールのシート
  • 通路(つうろ)— 畝と畝の間の道
  • 育苗(いくびょう)— 苗を育てること
  • 灌水(かんすい)— 水をやること
  • 選果場(せんかじょう)— 収穫物を選別・箱詰めする場所

「畝」は数を表す指示によく出てきます。「三畝目まで終わらせて」は、三番目の畝まで終わらせてください、という意味です。

4. 親方からよく聞く指示

畑の指示は短いのが普通です。よく使われる形を挙げます。

  • こっち来て — こちらへ来てください
  • そのまま置いといて — その場所に置いたままにしてください
  • 先にこっちやって — こちらを先にやってください
  • 一列ずつね — 一列ずつ進めてください
  • 大きいのだけ取って — 大きいものだけ収穫してください
  • 傷ついてるのは別にして — 傷のあるものは分けてください
  • 優しく扱って — ていねいに扱ってください
  • 休憩にしよう — 休憩にします
  • 雨降りそうだから急ごう — 雨が降りそうなので急ぎます

「〜といて」は「〜ておいて」が話し言葉で縮んだ形です。今それをして、その状態のままにしておく、という意味になります。現場では非常によく使われるので、完全な形を覚えるより、この縮んだ形を聞き取れることのほうが役に立ちます。

5. 品質と選別の言葉

日本では収穫物の選別基準が細かく決められています。次の語で、野菜や果物がどの等級になるかが決まります。

  • 規格(きかく)— 大きさや品質の基準
  • 秀(しゅう)— 最上位の等級
  • 優(ゆう)— 二番目の等級
  • 良(りょう)— 三番目の等級
  • 傷(きず)— 表面の傷やこすれ
  • 変形(へんけい)— 形が基準から外れているもの
  • 虫食い(むしくい)— 虫に食われたもの
  • 病気(びょうき)— 病害が出たもの
  • 未熟(みじゅく)— まだ熟していないもの
  • 熟しすぎ(じゅくしすぎ)— 熟しすぎたもの

等級の呼び方は農協(JA)や産地によって違います。「秀・優・良」を使うところもあれば、「A品・B品・C品」を使うところもあります。初日に、自分の職場ではどう呼ぶかを確認しておくと安心です。

6. 天気と作業時間の言葉

農作業の予定は天気で決まるため、朝の連絡でこれらの語がよく出ます。

  • 朝一(あさいち)— 朝いちばんに
  • 日の出前(ひのでまえ)— 日が昇る前
  • 霜(しも)— 霜
  • 猛暑(もうしょ)— 厳しい暑さ
  • 台風(たいふう)— 台風
  • 大雨(おおあめ)— 強い雨
  • 中止(ちゅうし)— 取りやめ
  • 前倒し(まえだおし)— 予定を早めること

夏によく聞く例です。「明日は猛暑だから、朝一で収穫して昼は休憩を長く取ります。」

7. 畑で出てくるN4〜N3の表現

  • 〜ておく … 準備としてしておく。「コンテナを並べておいてください」。
  • 〜てしまう … うっかりそうなる。「苗を折ってしまいました」。
  • 〜すぎる … 度を越す。「水をやりすぎると根が腐ります」。
  • 〜ないうちに(N3)… そうなる前に。「雨が降らないうちに終わらせましょう」。
  • 〜ように … そうなるために。「傷がつかないように運んでください」。
  • 〜ば〜ほど(N3)… するほど。「早く収穫すればするほど鮮度が保てます」。
  • 〜たばかり … したばかり。「定植したばかりなので、まだ触らないでください」。

8. 報告と質問の言い方

  • これはどの規格ですか。
  • 傷があるものが多いです。
  • 葉に虫がついています。
  • コンテナが足りません。
  • この畝は終わりました。次は何をしますか。
  • もう一度説明してもらえますか。
  • 体調が悪いので、少し休んでもいいですか。

最後の一文は大切です。猛暑の下での作業には危険があり、日本の職場では体調を早めに伝えることは当然のこととして受け止められます。怠けているとは見なされません。

9. 小さな練習

  1. 「播種」と「定植」の違いは。
  2. 「三畝目まで終わらせて」と言われた。どこまで作業するか。
  3. 「そのまま置いといて」の意味は。
  4. 形が曲がったトマトは、どの語で表すか。
  5. 「雨が降らないうちに終わらせましょう」の意味は。

答え:

  1. 播種は苗箱に種をまくこと、定植は育った苗を畑の畝に植えかえること。
  2. 三番目の畝まで。
  3. その場所に置いたままにして、動かさないこと。
  4. 「変形」。
  5. 雨が降る前に終わらせましょう、という意味。

10. 畑で働く人に合う学び方

畑では手が汚れていて、ノートを開くのが難しいことがあります。現実的なのは、帰ってから書く方法です。その日に聞いた新しい語を三つだけ、状況といっしょに書き残します。たとえば「追肥 — 午前十時ごろ、親方が畝の間に肥料をまくよう言ったときの語」というように。

状況と結びついた語は、単独の語より記憶に残ります。一日三語なら一か月で約九十語です。それだけあれば、畑での毎日の指示のほとんどについていけるようになります。

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免責事項

この記事の用語・等級の呼び方・作業の進め方は、日本の農業で広く使われている一般的な例です。地域、農協(JA)、会社ごとに用語や選別基準、安全のルールは異なります。実際の作業では必ず職場の指示に従い、違いがある場合は責任者に確認してください。

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