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JLPT N2でまぎらわしい文法:似ている10組の使い分けと練習問題

約8分で読めます

N2の文法問題は、形の似た文型で引っかけてきます。「わけではない」と「わけがない」、「かねる」と「かねない」。取り違えやすい十組を、何が二つを分けているのかという視点で整理し、練習問題を五問つけました。

Ilustrasi seorang pelajar duduk di meja belajar memegang pensil di atas lembar latihan tata bahasa, dengan satu dari dua kotak pilihan jawaban dilingkari.

JLPT N2でまぎらわしい文法:似ている10組の使い分けと練習問題

N2で覚える文法は、およそ二百。大変なのは数ではなく、形が似ていることです。「~わけではない」と「~わけがない」は一字違いですが、打ち消しの強さがまるで違います。「~かねる」と「~かねない」は兄弟のような形なのに、意味は逆を向いています。

N2の文法問題は、その似ているところをそのまま突いてきます。四つの選択肢のうち二つは形のよく似た文型で、文に合うのは一つだけ。訳だけを覚えていると、正解する確率は半分になります。

この記事では、とくに取り違えやすい十組を取り上げ、何が二つを分けているのかを説明し、それぞれに短い例文をつけます。最後に練習問題を五問、解答つきで置きます。

レベルはJLPT N2です。N1にも顔を出す文型がありますが、基本の形はN2で問われます。

迷ったときの三つの質問

一覧に入る前に、ほとんどの組に使える三つの質問を挙げます。

  1. 前に何がつくか。 名詞か、辞書形か、た形か、ない形か。多くの組は実はここだけが違い、接続は意味のニュアンスよりずっと覚えやすいところです。
  2. 中身はよいことか、悪いことか。「~かねない」「~ばかりに」「~おそれがある」は、悪い内容の文にしか出てきません。文がうれしい話なら、その時点で消えます。
  3. その人に選ぶ余地があるか。 ここが「~ざるを得ない」(余地がない)と「~ないことはない」(余地はあるが、ためらう)を分けます。

この三つですべては決まりませんが、四択のうち二つを消すには足ります。

1. 「~にとって」と「~において」

  • ~にとって — 「~の立場から見ると」。前にくるのは評価する人や組織です。うしろには「大切だ」「難しい」「ありがたい」など、評価の言葉がほぼ必ず続きます。
    • 私にとって、漢字は今でもいちばん難しい部分です。
  • ~において — 「~で、~に」。前にくるのは場所・時・分野です。「で」の改まった形で、書類やお知らせによく出ます。
    • 安全大会は、本社の会議室において行われます。

見分け方:「で」に置き換えても意味が通るなら「において」。前が人で、うしろが評価なら「にとって」です。

2. 「~わけではない」と「~わけがない」

  • ~わけではない — 「~というわけではない」。部分的な打ち消しで、誤解を解くときに使います。
    • 毎日残業しているが、仕事が嫌いなわけではない。
  • ~わけがない — 「~はずがない」。全面的な打ち消しで、話し手は確信しています。
    • 日本に来たばかりの人が、敬語を全部使えるわけがない。

見分け方:「では」は「そういうことでもない」とやわらげます。「が」は「その理由がまったくない」と閉じます。

3. 「~かねる」と「~かねない」

この組がいちばん間違えやすいのは、「ない」がついたほうが肯定寄りの意味になるからです。

  • ~かねる — 「~することができない、~しにくい」。断るときの丁寧な言い方で、動作をするのは話し手の側です。
    • 詳しいことは、私では分かりかねます。
  • ~かねない — 「~するおそれがある」。悪い可能性を示します。
    • その置き方では、荷物が倒れて事故になりかねない。

見分け方:「かねる」は「私にはできません」。「かねない」は「そうなる危険がある」。主語が人でなく、中身が危険なら「かねない」です。

4. 「~うえで」と「~うえに」

  • ~うえで — 「~してから、~の点で」。順番を示します。先にAをして、そのあとB。
    • 家族と相談したうえで、お返事いたします。
  • ~うえに — 「そのうえ、さらに」。追加を示し、二つは同じ方向を向きます(どちらもよい、またはどちらも悪い)。
    • この寮は駅に近いうえに、家賃も安い。

見分け方:「で」は時間の前後、「に」はもう一つ重ねる。文中に「も」や「さらに」があれば、ほぼ「うえに」です。

5. 「~ばかりに」と「~ばかりで」

  • ~ばかりに — 「~したせいで」。小さな原因から悪い結果が出て、たいてい後悔がついてきます。
    • 一言よけいなことを言ったばかりに、上司を怒らせてしまった。
  • ~ばかりで — 「~するだけで」。それしか起きず、先へ進まない様子を表します。
    • 彼は謝るばかりで、何も直そうとしない。

見分け方:「ばかりに」は原因と結果をつなぎます。「ばかりで」は文をその場に止めます。繰り返しはあっても、変化がありません。

6. 「~に応じて」と「~に沿って」

  • ~に応じて — 「~に合わせて」。前にくるのは人や場合によって変わるものです。収入、能力、状況、人数など。
    • 保育料は、世帯の収入に応じて決まります。
  • ~に沿って — 「~のとおりに」。前にくるのはすでに引かれている一本の線です。計画、マニュアル、方針、ご希望など。
    • 作業は、マニュアルに沿って進めてください。

見分け方:「応じて」は変わるものに合わせる。「沿って」は決まっている線をなぞる。

7. 「~ものの」と「~ものだから」

  • ~ものの — 「~けれども」。予想と実際が食い違うときに使います。主に書き言葉です。
    • 日本語能力試験には合格したものの、会議の話はまだ半分しか分からない。
  • ~ものだから — 「~なので」。理由を述べる形で、言い訳の調子を帯びることがあります。
    • 電車が止まっていたものですから、遅れてしまいました。

見分け方:「ものの」は逆の二つをつなぎ、「ものだから」は原因から結果へつなぎます。遅刻の説明のように聞こえるなら「ものだから」です。

8. 「~に限らず」と「~に限って」

  • ~に限らず — 「~だけでなく」。外へ広げます。
    • この制度は技能実習生に限らず、すべての外国人労働者が使えます。
  • ~に限って — 「よりによって~のときに」。内へ狭め、うしろには困ったことが続きます。
    • 急いでいる日に限って、電車が遅れる。

見分け方:「らず」(ない形)は外へ開き、「って」は内へ閉じます。運の悪い偶然への愚痴に聞こえるなら「に限って」です。

9. 「~ないことはない」と「~ざるを得ない」

  • ~ないことはない — 「~しないわけではない」。できはするが、気は進まない、という半分の肯定です。
    • 辛い物は食べないことはないが、あまり得意ではない。
  • ~ざるを得ない — 「~するしかない」。ほかに道がなく、話し手はたいてい不本意です。
    • 台風が近づいているので、作業を中止せざるを得ない。

接続の注意:「~ざるを得ない」はない形から「い」を取った形につきます(行かない → 行かざるを得ない)。「する」はせざるを得ないで、「しざるを得ない」ではありません。ここはよく問われます。

10. 「~次第」と「~次第で」

同じ語で、働きが二つに分かれます。決めるのは前にくる語です。

  • 動詞ます形 + 次第 — 「~したらすぐに」。時を表し、うしろに過去形は来ません。
    • 荷物が届き次第、ご連絡いたします。
  • 名詞 + 次第だ/次第で — 「~によって決まる」。
    • 明日の作業は、天気次第です。

見分け方: 前が動詞ます形なら「~したらすぐ」、前が名詞なら「~による」です。

練習問題(5問)

正しい形を選んでください。

  1. 書類を確認した( )、ご返事いたします。 — a) うえに b) うえで
  2. その作業方法では、けがをし( )。 — a) かねます b) かねません
  3. 彼が約束を忘れる( )。昨日も電話をくれた。 — a) わけではない b) わけがない
  4. 会議の資料は、部長のご希望( )作り直しました。 — a) に応じて b) に沿って
  5. 雨が強くなってきたので、試合を中止( )。 — a) せざるを得ない b) しないことはない

解答

  1. b) うえで — 先に確認し、そのあとで返事をする、という順番です。
  2. b) かねません — 話し手が断っているのではなく、けがの危険を述べています。中身が悪いことです。
  3. b) わけがない — 次の文が強い根拠になっているので、打ち消しは全面的です。
  4. b) に沿って — ご希望はすでに示された一本の線で、人によって変わるものではありません。
  5. a) せざるを得ない — ほかに道がありません。「する」が「せ」に変わる点にも注意してください。

よくある間違い

  • 訳だけを覚えて、接続を覚えない。 N2の問題は、意味より「前に何がつくか」を問うものが少なくありません。
  • 書き言葉を会話で使う。「~ものの」「~において」「~ざるを得ない」は書類やニュースでは自然ですが、同僚との雑談で使うと硬く響きます。
  • 「~かねない」を丁寧な形だと思う。 これは危険を指す言い方で、丁寧さとは関係ありません。丁寧なのは「~かねます」です。
  • 「~ざるを得ない」で「する」が「せ」になるのを忘れる。
  • 一つずつ覚えて、組で覚えない。 問われるのは違いのほうなので、二つ一組で覚えるほうが結局は早く済みます。

最後にひとつ。この一覧を読んだあとは、実際に流れている文の中でこれらの形を探してみてください。社内のお知らせ、市役所からの通知、NHKのニュース。N2の文型は日常会話より書かれた文にずっと多く現れます。試験で問われるのは、まさにそのためです。

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免責事項

この記事は日本語学習のための教材であり、JLPT実施機関の公式教材ではありません。出題の内容や構成は実施機関が決めるもので、回によって異なります。この記事が試験の結果を保証するものではありません。ニュアンスの説明は学習のために簡略化してあり、実際の使用では例外がある文型もあります。確認したいときは、正式な文法書と見比べるか、先生に質問してください。

Kartu tata bahasa: 10 pola N2 yang sering tertukar, pasangan 1 sampai 5, dengan cara baca dan artinya.
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