教育訓練給付金2026|外国人労働者も使える受講費用の給付制度(最大80%)
雇用保険の被保険者であれば国籍を問わず利用できる教育訓練給付金について、3区分の給付率と上限額、支給要件期間、ハローワークでの手続き期限、教育訓練支援給付金と2025年10月創設の教育訓練休暇給付金までを、厚生労働省の一次情報に基づいて整理しました。

目次
教育訓練給付金2026|外国人労働者も使える受講費用の給付制度(最大80%)
📌 この記事の対象:雇用保険に加入して働くインドネシア人の方、および外国人従業員の資格取得を支援したい企業のご担当者様
この記事でわかること:
- 教育訓練給付金の仕組みと、外国人も対象になる法的な根拠
- 3種類の給付率(20%・40〜50%・50〜80%)と上限額
- 必要な雇用保険の加入期間(1年・2年・3年の違い)
- ハローワークでの手続きの流れと期限(受講開始2週間前・修了後1か月以内)
- 教育訓練支援給付金と、2025年10月に新設された教育訓練休暇給付金
教育訓練給付金とは
教育訓練給付金(きょういくくんれんきゅうふきん)は、厚生労働省が指定した講座を自費で受講した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。財源は税金ではなく雇用保険で、毎月の給与から控除されている保険料が原資となっています。
つまり、雇用保険に加入して働いている方は、すでにこの制度の費用を負担している立場にあります。
外国人も対象になります
厚生労働省は、労働関係法令および社会保険関係法令は、国籍を問わず外国人にも日本人と等しく適用されると明示しています。雇用保険の被保険者要件にも国籍による区別はなく、判断されるのは「週の所定労働時間が20時間以上」「31日以上の雇用見込み」という2点です。
したがって、技能実習(2027年4月施行予定の育成就労を含む)・特定技能・技術・人文知識・国際業務、あるいは資格外活動許可を得て働く家族滞在の方であっても、雇用保険の被保険者であり、加入期間の要件を満たしていれば対象となります。在留資格の種類そのものが可否を決めるわけではありません。
ただし、次の2点は注意が必要です。
- 留学生:学校教育法第1条に規定する学校の学生・生徒は原則として雇用保険の適用除外です(卒業見込証明書があり卒業後も同一事業所に勤務予定の方、休学中の方などは例外)。したがってアルバイト期間は通常、加入期間に算入されません。
- 技能実習生:入国当初の、雇用契約に基づかない講習期間は被保険者となりません。被保険者資格は講習終了後に発生します。
給付の3区分と支給額
1. 一般教育訓練給付金 — 20%
- 給付率:受講費用の20%、上限10万円
- 20%に相当する額が4,000円を超えない場合は不支給
- 支給要件期間:3年以上。初めて受給する場合は1年以上
- 事前のキャリアコンサルティング・受給資格確認は不要
指定講座数が最も多い区分です。東京労働局資料によれば、2024年10月時点の一般教育訓練の指定講座数は全国で12,111講座、うち輸送・機械運転関係が約51%を占めています(東京都内では9.9%)。
2. 特定一般教育訓練給付金 — 40%、条件を満たせば50%
- 基本の給付率:40%、上限20万円
- 追加給付:資格取得等をし、かつ修了日の翌日から1年以内に一般被保険者等として雇用された場合、+10%(上限5万円)→ 合計50%・上限25万円
- この追加給付は令和6年10月1日以降に受講を開始した方が対象
- 支給要件期間:3年以上(初回は1年以上)
- 事前のキャリアコンサルティングと受給資格確認が必須
指定講座の例として、介護職員初任者研修、介護支援専門員実務研修、大型自動車第一種免許などが公表されています。
3. 専門実践教育訓練給付金 — 50%、最大80%
介護福祉士養成課程などの長期講座が対象となる、最も給付額が大きい区分です。
- 基本の給付率:50%、年間上限40万円(6か月ごとに支給)
- +20%(年間上限16万円):資格取得等をし、修了後1年以内に被保険者として雇用された場合 → 70%・年間上限56万円
- +10%(年間上限8万円):修了後の賃金が受講開始前と比べて5%以上上昇した場合 → 最大80%・年間上限64万円
- +10%は令和6年10月1日以降に受講を開始した方が対象(令和6年9月30日以前の開始は最大70%)
- 受給は最大3年間、その場合の上限は192万円
- 支給要件期間:3年以上。初回は2年以上
- 事前のキャリアコンサルティングと受給資格確認が必須
見落としやすい3つの期限
申請が認められない原因は、給付率よりも期限にあることがほとんどです。
1. 前回受給から3年。 受講開始日の前日から起算して3年以内に教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合、支給されません。
2. 離職している場合は1年以内。 被保険者資格を个失した日の翌日から受講開始日までが1年以内である必要があります。妊娠・出産・育児・疾病等で受講が困難な場合は適用対象期間の延長制度があり、案内資料では最大20年まで延長できるとされています。
3. 受給資格確認は受講開始の2週間前まで。 特定一般教育訓練と専門実践教育訓練では、訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードを作成・交付のうえ、ハローワークで受給資格確認を行う必要があります。期限は原則として受講開始日の2週間前までです。これを過ぎると、その講座については給付を受けられません。
なお、特定一般・専門実践の指定講座は定期的に更新され、実施機関からの申請受付は年2回(4月上旬〜5月上旬、10月上旬〜11月上旬)です。対象講座は変動するため、必ず最新の一覧を確認してください。
手続きの流れ
- 講座が指定されているか確認する。 教育訓練給付金 検索システム(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/)で検索します。掲載のない講座は、どれだけ高額でも対象外です。
- 自分の支給要件期間を確認する。 在留カードと雇用保険被保険者証を持参し、住居所を管轄するハローワークで照会できます。
- 特定一般・専門実践の場合:訓練前キャリアコンサルティングを受け、受講開始日の2週間前までに受給資格確認を行います。
- 受講し、修了する。 領収書と修了証明書は必ず保管してください。この2点がないと申請できません。
- 支給申請を行う。
- 一般・特定一般:受講修了日の翌日から起算して1か月以内
- 専門実践:受講開始日から6か月ごとの期間の末日の翌日から1か月以内(年2回)、および修了日の翌日から1か月以内。資格取得+就職による追加給付は、雇用された日または資格取得日のいずれか遅い日の翌日から1か月以内。賃金上昇分は雇用開始から6か月経過後
- 本人名義の口座へ振り込まれます。
主な必要書類(一般教育訓練の例):支給申請書(様式第33号の2)、教育訓練修了証明書、領収書、教育訓練経費等確認書、本人・住居所確認書類、個人番号確認書類および身元確認書類、払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード、代理人申請の場合は委任状。2024年2月1日以降、支給申請は電子申請・郵送・代理人による申請が可能です。
併せて確認したい2つの給付
教育訓練支援給付金
専門実践教育訓練を受講する失業状態の方を対象とした給付です。
- 主な要件:受講開始時に45歳未満であること、一般被保険者でなくなってから1年以内に受講を開始すること
- 支給額:雇用保険の基本手当の日額の60%(令和7年4月1日前に受講を開始した場合は80%)
- 暂定措置であり、専門実践教育訓練の受講開始日が令和9年(2027年)3月31日以前であることが条件です
教育訓練休暇給付金(令和7年10月1日創設)
在職したまま長期の学び直しをする方向けに、2025年10月1日から新設された制度です。
- 対象者:雇用保険の一般被保険者で、業務命令によらず就業規則等に基づき30日以上連続した無給の教育訓練休暇を取得する方
- 被保険者期間要件:休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があり、かつ休暇開始前に5年以上の雇用保険加入期間があること
- 給付日数:加入期間5年以上10年未満=90日、10年以上20年未満=120日、20年以上=150日
- 給付額:離職した場合に支給される基本手当と同じ算定方法(休暇開始前6か月の賃金に基づく)
- 手続き:住居所を管轄するハローワークで受給資格確認を受け、30日ごとに休暇取得を申告して認定を受けます
- 注意:受給後は原則として一定期間、失業給付等を受給できません
注意点
支払う前に確認する。 正しい順序は「検索システムで確認 → ハローワークに相談 → 申込み」です。先に受講料を払ってから対象外と判明する例が少なくありません。
日本語学校やJLPT対策講座は対象か。 公的情報では対象・対象外いずれも確認できていません。実施機関ごとに指定の有無が異なるため、必ず検索システムで個別に確認してください。
在留資格との関係。 本給付は自ら負担した保険料に基づく権利であり、公的扶助ではありません。ただし、退職して長期の学校に通う場合は在留資格に影響し得ます。在留資格の変更については出入国在留管理庁にご確認ください。ハローワークの所管ではありません。
自己都合退職の場合。 令和7年4月以降、離職期間中または離職日前1年以内に一定の教育訓練を受けた場合、基本手当の給付制限が解除されます。受講計画と併せて検討する価値があります。
企業のご担当者様へ。 本制度を活用すれば、費用の全額を会社が負担しなくても外国人従業員の資格取得を後押しできます。前提として、要件を満たす従業員を採用日から確実に雇用保険に加入させること、そして雇用保険被保険者証を本人に交付することをご確認ください。加入期間が空白になっていると、本人が給付を受けられません。
まとめ
- 雇用保険の被保険者であれば、国籍を問わず教育訓練給付金の対象になります
- 給付率は3区分:20%(上限10万円)、40〜50%(上限25万円)、50〜80%(年間上限64万円・通算192万円)
- 支給要件期間は原則3年。初回は一般・特定一般が1年、専門実践が2年
- 特定一般・専門実践は受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認が必要
- 支給申請は修了日の翌日から1か月以内
- 2025年10月からは在職者向けの教育訓練休暇給付金も利用できます
- まずは検索システム(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/)で希望の講座を確認してください
参考・公的情報源(2026年8月20日確認)
- [厚生労働省 - 教育訓練給付制度](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html)
- [ハローワークインターネットサービス - 教育訓練給付金](https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html)
- [厚生労働省 - 教育訓練給付金 手続きの流れ](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku_00014.html)
- [厚生労働省 - 令和6年10月から教育訓練給付金を拡充します](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160564_00042.html)
- [厚生労働省 - 専門実践教育訓練の教育訓練給付金のご案内 (PDF)](https://www.mhlw.go.jp/content/001529622.pdf)
- [厚生労働省 - 一般教育訓練の教育訓練給付金のご案内 (PDF)](https://www.mhlw.go.jp/content/001529629.pdf)
- [厚生労働省 - 特定一般教育訓練給付金 関係手引 (PDF)](https://www.mhlw.go.jp/content/001310624.pdf)
- [厚生労働省 - 教育訓練休暇給付金](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koyouhoken/kyukakyufukin.html)
- [厚生労働省 - 教育訓練休暇給付金のご案内 (PDF)](https://www.mhlw.go.jp/content/001570885.pdf)
- [厚生労働省 - 雇用保険の被保険者について (PDF)](https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000637955.pdf)
- [厚生労働省 - 外国人労働者の雇用保険手続きをお忘れなく (PDF)](https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001530992.pdf)
- [厚生労働省 - 教育訓練給付金 検索システム](https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/)
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