日本で市区町村をまたいで引っ越すときの手続き:転出届→転入届の順番と、同時に変わる5つのこと(2026年版)
別の市区町村への引っ越しには、間違えられない順番があります。旧住所で転出届、引っ越し後14日以内に新住所で転入届。この1回の窓口で入管への住居地届出も済んだものとみなされます。あわせてマイナンバーカードの90日期限と、国民健康保険の14日期限も整理します。

目次
日本で市区町村をまたいで引っ越すときの手続き:転出届→転入届の順番と、同時に変わる5つのこと
別の市区町村へ引っ越すとき、大変なのは荷物だけではありません。14日以内に片づけなければならない役所の手続きが連なっていて、しかも順番を間違えられません。順番を誤ると、遠く離れた二つの役所を往復することになります。
この記事では、在留カードを持つ方向けに、最初から最後までの流れを整理します。以下の制度情報は2026年9月1日時点で確認したものです。
全体像:正しい順番
別の市区町村へ引っ越す場合(例:新宿区から川崎市へ)
- 引っ越し前 — 旧住所の役所で転出届を出し、転出証明書を受け取る
- 引っ越し後 — 住み始めた日から14日以内に、新住所の役所で、その転出証明書を持って転入届を出す
- 新住所の役所で、在留カードの住所・マイナンバーカード・健康保険もまとめて処理する
同じ市区町村内で引っ越す場合(例:新宿3丁目から新宿7丁目へ)
- 同じ役所で転居届を1回出すだけです。引っ越し後14日以内。転出届も転出証明書もありません。
よくある誤解:「忘れないうちに転入届を先に出しておこう」と考える方がいますが、できません。新宿区は「引越す前(住み始める前)には届出できません」と明記しています。
ステップ1 — 旧住所の役所で転出届
いつ出すか。 引っ越しの14日前から出せます。引っ越した後14日以内でも受け付けられます。すでに引っ越してしまい、まだ出していない方にも道は残っています。
持ち物
- 有効期限内の本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
- 在留カードまたは特別永住者証明書 — 外国人住民の方は必須です
- 代理人が行く場合は委任状
受け取るもの。 転出証明書です。新住所の役所に必ず提出します。紛失すると旧住所の役所に戻ることになるので、大切に保管してください。
オンラインでの方法。 電子証明書が有効なマイナンバーカードをお持ちなら、マイナポータルから転出届をオンラインで提出できます。デジタル庁は、2023年2月6日から全ての市区町村でオンラインによる転出届の提出と、転入予定の市区町村への来庁予定の連絡ができるようになったと説明しています。この方法では紙の転出証明書は発行されず、データが役所間で直接やり取りされます。
重要な注意点:転入届は必ず窓口で行う必要があります。 オンラインで省けるのは往復のうち片道だけです。
ステップ2 — 14日以内に転入届
期限。 新住所に住み始めた日から14日以内です。契約日ではなく、実際に住み始めた日から数えます。
持ち物
- 旧住所の役所が発行した転出証明書(マイナポータルを使った場合は不要)
- 有効期限内の本人確認書類
- 在留カード — 一緒に引っ越す家族全員分を持参してください
- 同一世帯全員分のマイナンバーカード(お持ちの場合)
- 健康保険の資格確認書など
- 求められた場合は世帯主との続柄を証する文書。外国語の書類(婚姻証明書、インドネシアの家族カードなど)は、翻訳者名を明らかにした日本語訳の添付が必要です。これは早めに準備してください。二度手間になる最も多い原因です。
いちばん時間を節約できる点:一つの窓口で二つの義務
ここは知られていないことが多く、半日分の手間を減らせる部分です。
中長期在留者には、住居地の変更を入管へ届け出る義務が別にあります。根拠は出入国管理及び難民認定法第19条の9第1項で、期限は新住居地に移転した日から14日以内です。
ただし出入国在留管理庁は、住民基本台帳法第22条・第23条・第30条の46に規定する届出(つまり転入届・転居届)を市区町村で行った場合、入管への届出は行われたものとみなされるとしています。
つまり、住所変更のためだけに入管へ行く必要はありません。 役所の窓口で、その場で在留カードの裏面に新住所が記載されます。
注意すべき点は、14日という期限が両方の義務に同時にかかっていることです。転入届が遅れれば、入管法上の住居地届出も遅れたことになります。この届出は法律上の義務であり、遅れると在留資格に関わる問題につながる可能性があります。すでに期限を過ぎている場合は、それ以上先延ばしにせず、事情を窓口で説明して手続きしてください。
来日後にはじめて住所を登録する場合は手順が少し異なります。はじめての住居地届出の記事をご覧ください。
同じ日に変わる5つのこと
1. マイナンバーカード — こちらは90日という別の期限
転入届のあと、マイナンバーカードには継続利用の手続きが必要です。期限は転入届出日から90日以内で、前述の14日とは別の期限です。
さいたま市は、期間内に手続きしなければ「マイナンバーカードは失効となり、カードの再交付が必要となります」としています。
必要なもの:マイナンバーカード本体と、住民基本台帳事務用の4桁の暗証番号。署名用電子証明書を再搭載したい場合は、英数字6〜16文字の暗証番号も必要です。この暗証番号を忘れている方が多いので、出発前に確認してください。
いちばん確実なのは、転入届と同じ日にまとめて済ませることです。
2. 国民健康保険
勤務先の健康保険ではなく国民健康保険に加入している方は、資格が自動では引き継がれません。旧市区町村で資格を失い、新市区町村で加入し直す形になります。
名古屋市は「必ず14日以内に届出をしてください」と明記しています。遅れた場合の扱いについて、同市は次のように説明しています。
- 保険給付は原則として届出の日からしか行われず、届出日の前日までの医療費は全額自己負担になる
- 保険料は加入の事実が発生した月から発生するため、届出が遅れると保険料をさかのぼって納めることになる
つまり、遅れても得にはならず、むしろ負担が増えます。現在の保険証の仕組みについては2026年の健康保険証の変更をご覧ください。
勤務先の社会保険に加入している方は会社側が処理しますので、新住所を人事担当へ伝えれば大丈夫です。
3. 年金
こちらは朗報です。日本年金機構は「マイナンバーと基礎年金番号が結びついている被保険者であれば、原則、住所変更に関する届出は不要です」としています。
結びついていない場合は次のとおりです。
- 会社員(第2号被保険者):勤務先へ連絡し、会社が被保険者住所変更届を提出する
- 国民年金第1号被保険者:市区役所または町村役場で届け出る
- 第3号被保険者(配偶者に扶養されている方):配偶者の勤務先を通じて提出する
年金制度の全体像はインドネシア人向け年金ガイドにまとめています。
4. 税金・銀行・勤務先
- 勤務先 — 人事担当へ早めに連絡してください。住所は住民税や通勤手当の計算に使われます。
- 銀行・クレジットカード — 登録住所を変更します。新住所を証明する書類を求められることが多いです。
- 携帯電話会社 — 同様です。特に請求書が自宅に届く契約の場合は必須です。
- 住民税 — その年の1月1日時点で登録されていた市区町村が課税します。今年の請求が旧住所の市区町村から届いても、それは誤りではありません。
5. 電気・ガス・水道とごみのルール
- 電気・ガス・水道は、旧居の停止と新居の開始をそれぞれ連絡します。ガスは立ち会いが必要なことが多いので、早めに予約してください。特に3月下旬は予約が埋まります。
- ごみのルールは市区町村ごとに違います。 収集日、指定袋の色、分別方法が旧住所と全く異なることがあります。転入届のときに窓口でごみ分別の案内冊子をもらってください。基本は日本のごみ出しルールにまとめています。
- 郵便 — 郵便局に転居届を出します(オンラインでも可能)。旧住所あての郵便物が1年間転送されます。
時系列チェックリスト
引っ越しの2〜4週間前
- 旧居の大家・不動産会社へ連絡
- 電気・ガス・水道の停止と開始を予約
- 必要なら家族関係書類の日本語訳を準備
引っ越しの14日前から当日まで
- 旧住所の役所で転出届(またはマイナポータルで提出)
- 転出証明書を受け取り、保管する
引っ越し後14日以内
- 新住所の役所で転入届
- 在留カード裏面に新住所が記載される(入管への届出義務も完了)
- 国民健康保険の加入手続き(該当する方)
- 勤務先へ連絡
転入届から90日以内
- マイナンバーカードの継続利用手続き
期限を過ぎてしまったら
手続き自体をやめないでください。役所は遅れた届出も受け付けます。遅れた理由を届出書に記入するよう求められることがあります。いちばん状況を悪くするのは、何か月も放置することです。住民票の住所は、在留資格の更新、税、保険、公的な郵便物の送付まで、ほとんどすべての手続きの土台になっているからです。
窓口での日本語に不安がある方は、役所で使う日本語で言い方を準備しておくと安心です。
おわりに
必要書類や様式は市区町村によって異なり、窓口の受付時間もそれぞれ違います。出発前に、転入先の市区町村の公式サイトを確認するか、電話で問い合わせてください。
本記事は2026年9月1日に確認した日本の公的機関の情報をもとにした一般的な情報であり、個別の事案に対する法的・行政的な助言ではありません。制度や窓口の運用は変更されることがあり、市区町村によっても異なります。在留資格・保険・税に関わる判断については、お住まいの市区町村の窓口、地方出入国在留管理官署、年金事務所に直接ご確認ください。
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