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外国人の失業保険(基本手当)ガイド2026|受給条件・金額・在留資格への影響

約12分で読めます
Ilustrasi panduan tunjangan pengangguran (shitsugyo hoken) di Jepang untuk pekerja asing: pendaftaran di Hello Work dan tunjangan 50-80% gaji
📌 この記事の対象:日本で働いていて離職した(またはこれから離職する)インドネシア人の方と、外国人従業員の離職手続きを担当する企業のご担当者様。失業保険(雇用保険の基本手当)の受給条件・金額・手続き、離職中に使える他の支援制度、そして在留資格への影響をまとめました。

結論:外国人も日本人と同じ条件で失業保険を受けられます

雇用保険は国籍を問わず適用されます。週20時間以上働き、31日以上の雇用見込みがある方は、技能実習・特定技能・技術・人文知識・国際業務など在留資格の種類にかかわらず、原則として雇用保険の被保険者です。給与明細に「雇用保険料」の控除があれば加入しています。離職後は「基本手当」(一般に失業保険と呼ばれるもの)を受け取れます。

ただし、受給には「日本国内で就職活動を続けられること」が必要です。帰国する予定の方、就労が認められない在留資格の方は受給できません。また、離職後に何もしないまま3か月以上経つと、在留資格の取消し対象になり得ます(後述)。

この記事でわかること

  • 受給できる人の条件(自己都合・会社都合で異なります)
  • もらえる金額と日数の目安、具体的な試算例
  • 2025年4月からの給付制限短縮(2か月→原則1か月)と、その例外
  • ハローワークでの手続きと必要書類
  • 失業保険以外に使える支援制度(教育訓練給付金・求職者支援制度・国民健康保険料の軽減)
  • 離職後の在留資格の注意点(14日以内の届出・3か月ルール)

対象となる人・ならない人

対象になる人:週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあり雇用保険に加入していた方。かつ離職後、日本国内で働く意思と能力があり、実際に求職活動を行う方。

対象にならない人:離職後すぐに帰国する方(日本国内での求職活動という要件を満たさないため)/就労が認められない在留資格の方/病気やけがですぐには働けない方(この場合は傷病手当や受給期間の延長を検討します)。

技能実習の方はご注意ください。 技能実習は「実習」を目的とする在留資格で、原則として自由な転職ができません。実習先の倒産など本人の責任によらない事情で実習が継続できなくなった場合は、外国人技能実習機構や監理団体を通じた実習先変更の支援が優先されます。基本手当を受けられるかどうかは個別の状況によって判断が分かれるため、必ずハローワークと監理団体の双方にご相談ください。

受給の条件

  1. 自己都合で辞めた場合:離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上あること。
  2. 解雇・雇止め・倒産など会社都合の場合(特定受給資格者・特定理由離職者):離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算6か月以上あること。
  3. ハローワークで求職の申込みを行い、働く意思と能力があるにもかかわらず職業に就けない状態にあること。

「被保険者期間」は、賃金支払の基礎となった日数が11日以上ある月を1か月と数えます(一定の場合は労働時間で判定することもあります)。

金額と給付日数

基本手当日額は、離職前6か月の賃金をもとに計算した「賃金日額」の50〜80%です(賃金が低い方ほど率が高くなります)。60歳以上65歳未満の方は45〜80%と率が異なります。賃金日額・基本手当日額には年齢区分ごとの上限額と下限額があり、毎年8月1日に改定されます。最新の金額は必ずハローワークで確認してください。

試算例: 月給20万円の場合、基本手当日額はおおよそ4,400〜5,000円、月あたり13〜15万円程度が目安になります。あくまで目安であり、実際の金額は賃金日額の計算と上限額によって変わります。

所定給付日数(自己都合など一般の離職者):被保険者期間1年以上10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日。

所定給付日数(会社都合=特定受給資格者など):年齢と被保険者期間により90日〜330日。たとえば45歳以上60歳未満で被保険者期間20年以上の場合は330日です。

受給期間は原則として離職の日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても受け取れません。妊娠・出産・育児・病気などで30日以上働けない場合は、受給期間の延長を申請できます(最長3年間)。

2025年4月の改正点(2026年7月現在も適用)

  • 自己都合退職の給付制限が原則1か月に短縮されました(従来は2か月)。7日間の待期期間の後、1か月の給付制限を経て支給が始まります。
  • 例外: 離職日から過去5年以内に、正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格の決定を受けている場合、または自己の責めに帰すべき重大な理由で解雇された場合は、給付制限が3か月になります。
  • 教育訓練を受けると給付制限が解除されます。 離職期間中、または離職日前1年以内に、2025年4月1日以降に開始した国の指定する教育訓練等を受講した場合、給付制限が適用されず、待期7日の後から受給できます。これは「支給開始を早める」しくみで、後述の教育訓練給付金(費用の補助)とは別の制度です。
  • 会社都合の離職者は従来どおり給付制限がなく、待期7日の後から支給されます。

必要書類

  • 雇用保険被保険者離職票(1・2)※会社が交付します
  • 在留カード(マイナンバーカードでも可)
  • マイナンバーが確認できる書類
  • 証明写真2枚(最近のもの・縦3.0cm×横2.4cm)
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
  • 印鑑(求められる場合があります)

※必要書類はハローワークによって異なる場合があります。来所前に管轄のハローワークへご確認ください。

手続きの流れ

  1. 会社から離職票を受け取る。 会社には離職票を交付する義務があります。受け取れない場合はハローワークに相談してください。
  2. 住所地を管轄するハローワークで求職の申込みをする。 ここから7日間が「待期期間」です。
  3. 雇用保険受給者初回説明会に参加する。 受給資格者証などが交付されます。
  4. 原則4週間ごとの「失業認定日」にハローワークへ行く。 認定対象期間中に原則2回以上の求職活動実績が必要です。
  5. 認定後、通常5営業日程度で指定口座に振り込まれます。

日本語に不安がある場合は、多言語対応の相談窓口がある「外国人雇用サービスセンター」や、通訳を配置しているハローワークを利用できます。

失業保険以外に使える支援制度

教育訓練給付金(受講費用の補助)

厚生労働大臣が指定する講座を修了すると、支払った受講費用の一部が支給されます。給付率は講座の種類で異なります。

  • 専門実践教育訓練:基本は50%(年間上限40万円)。修了して資格を取得し就職した場合は70%(56万円)、さらに訓練後の賃金が受講前より5%以上上がった場合は80%(64万円)。最大3年・上限192万円。80%の給付は令和6年10月1日以降に受講を開始した場合に限ります。
  • 特定一般教育訓練:40%(上限20万円)。資格取得+就職で50%(25万円)。
  • 一般教育訓練:20%(上限10万円)

対象者:受講開始日に雇用保険の加入期間が3年以上ある方(初めて教育訓練給付を受ける場合は、専門実践は2年以上、一般・特定一般は1年以上)。離職者は、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内であることが必要です。専門実践・特定一般は、訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードの交付を受け、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認の手続きが必要です。

教育訓練支援給付金(訓練中の生活費)

専門実践教育訓練(通信制・夜間制を除く)を受講する方のうち、受講開始時に45歳未満などの要件を満たす方が失業状態にある場合、基本手当日額の60%が支給されます。令和8年度末までの暫定措置です(令和7年4月1日より前に受講を開始した場合は80%)。

求職者支援制度(月10万円の給付金+無料の職業訓練)

⚠️ この制度は、基本手当を受給できる方は対象外です。 訓練受講の要件に「雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと」が含まれます。雇用保険に加入していなかった方、受給が終わった方、受給資格がない方が対象です。

支給額は職業訓練受講手当が月10万円、これに通所手当(月上限42,500円)と寄宿手当(月10,700円)が加わります。

給付金の主な要件:本人収入が月8万円以下/世帯全体の収入が月30万円以下/世帯全体の金融資産が300万円以下/現在の住居以外に土地・建物を所有していない/訓練実施日すべてに出席する(やむを得ない理由があり証明できる場合は8割以上)/世帯内に同時受給者がいない、など。

給付金の要件を満たさない場合でも、職業訓練自体は無料で受講できます。 訓練期間は2〜6か月(より長い公共職業訓練は最長2年)。申込み・相談は住所地を管轄するハローワークです。

国民健康保険料の軽減

倒産・解雇などによる非自発的失業者を対象に、国民健康保険料が軽減される制度があります。申請が必要で、対象範囲や手続きは市区町村ごとに異なります。会社の健康保険を任意継続するか国民健康保険に加入するかの比較も含め、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

在留資格への影響(最も重要な注意点)

14日以内に届出が必要です。 就労資格(技術・人文知識・国際業務、特定技能など)をお持ちの方は、退職した日から14日以内に、出入国在留管理庁へ「所属機関等に関する届出(契約機関に関する届出)」を提出する義務があります。オンラインまたは窓口で行えます。

3か月ルール。 入管法第22条の4により、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行っていない場合、在留資格の取消し対象になり得ます(高度専門職2号は6か月)。ただし、正当な理由がある場合は除かれます。具体的な就職活動を行っていると認められる場合は、正当な理由があるものとして取消しの対象とならないことがあります。ハローワークでの求職活動の記録は、この「正当な理由」を説明する材料になります。

失業保険を受けること自体は、在留資格に不利にはなりません。 雇用保険はご自身も保険料を負担している制度で、生活保護のような公的扶助とは異なります。むしろハローワークに求職登録していることは、就職活動をしている証拠になります。

特定技能の方:同じ分野内であれば転職できます。受入れ機関または登録支援機関には、契約終了時に転職活動を支援する義務があります。まず支援機関に連絡してください。

在留期間の満了が近い場合:一定の要件を満たす場合に、就職活動を続けるための「特定活動」への変更が認められることがあります。ただしこれは主に卒業後の留学生を対象とした枠組みで、就労資格からの変更は個別判断です。必ず事前に地方出入国在留管理局へ相談してください。

個別の事情によって取扱いが異なります。本記事は一般的な情報であり、在留資格の許可や給付の受給を保証するものではありません。

企業のご担当者様へ

  • 離職票の速やかな交付(離職日の翌々日から10日以内に資格喪失届と離職証明書をハローワークへ提出)
  • 本人への説明:帰国予定の方は受給できないこと、14日以内の入管への届出義務があること
  • 外国人雇用状況の届出(雇入れ・離職時にハローワークへ届け出る義務があります)
  • 母国語または「やさしい日本語」での案内。離職票の見方が分からず手続きが遅れる事例が多く報告されています

よくある質問

Q. 自己都合で辞めましたが、実際は残業が多すぎて限界でした。1か月の給付制限がつきますか。 A. 過重な時間外労働、賃金の未払い、ハラスメントなどの事情があり、それを裏づける資料がある場合、特定受給資格者と認められて給付制限なし・給付日数が長くなることがあります。判断するのはハローワークですので、離職票の離職理由に納得できない場合も含め、まず相談してください。

Q. 失業保険を受けると、次のビザ申請で不利になりますか。 A. なりません。雇用保険はご自身が保険料を負担してきた権利です。ハローワークへの求職登録は、むしろ就職活動をしている証明になります。

Q. 技能実習生でも受給できますか。 A. 雇用保険の被保険者であること自体は共通ですが、技能実習は転職が原則できない在留資格のため、受給できるかどうかは個別判断になります。まず監理団体と外国人技能実習機構、そしてハローワークに相談してください。

Q. 特定技能で会社が倒産しました。 A. 同じ分野内であれば転職が可能です。求職活動を行いながら基本手当を受けられる可能性があります。登録支援機関に支援を求め、転職先が決まったら14日以内に入管へ届出をしてください。

Q. もらいながらアルバイトはできますか。 A. できる場合がありますが、条件があります。週の所定労働時間が20時間以上になると「就職した」とみなされ、基本手当ではなく就職の手続きが必要になります。20時間未満であっても、働いた日は収入の有無にかかわらず失業認定申告書ですべて申告してください。労働時間や収入によって支給額が減額または不支給になります。申告しないと不正受給となり、支給停止に加えて不正に受給した額の3倍の納付を命じられる場合があります。

Q. 帰国してから受け取れますか。 A. 受け取れません。基本手当は日本国内での求職活動が前提です。帰国する方は、代わりに年金の「脱退一時金」を確認してください。

Q. いつまでに手続きすればよいですか。 A. 受給期間は原則として離職日の翌日から1年間です。手続きが遅れるとその分受け取れる日数が減る可能性があるため、離職票が届いたらすぐにハローワークへ行ってください。

まとめ

  • 日本で仕事を失っても、すぐに帰国する必要はありません。雇用保険に加入していれば賃金の50〜80%を90〜330日受け取れます。
  • 2025年4月以降、自己都合退職は待期7日+給付制限1か月。ただし5年内に2回以上の自己都合離職などは3か月です。
  • まずやること:会社から離職票を受け取る → ハローワークで求職申込み → 14日以内に入管へ届出。
  • ハローワークで積極的に求職活動をすることは、在留資格を守るうえでも重要です。
  • 教育訓練給付金(専門実践は基本50%)でスキルアップも検討できます。雇用保険を受けられない方には求職者支援制度があります。

参考・公式情報

ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」:www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html

ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」:www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html

厚生労働省「求職者支援制度のご案内」:www.mhlw.go.jp

厚生労働省「Q&A〜労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)〜」:www.mhlw.go.jp

出入国在留管理庁「在留資格の取消し(入管法第22条の4)」:www.moj.go.jp/isa

作成・内容確認:Panduan Jepang編集部/最終確認日:2026年7月26日

本記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。金額・日数・給付制限・各支援制度の要件は個別の事情や年度により異なります。必ず管轄のハローワーク・市区町村・出入国在留管理局にご確認ください。